ミニレビュー

マウスを握る右手が冷たい 電熱グローブなど4つのお手軽暖房を試す

寒くなってくると、仕事でもゲームでもマウスを握る右手だけが冷たくなっていることはありませんか? 筆者は特にゲームをやっているとき、キーボード操作で頻繁に指を動かす左手よりも、マウスを握ったままほとんど動かない右手の「指」が、気がつくと寒さでかじかんでいることがよくあります。筆者は部屋の暖房が控えめな設定なため余計そうなるのですすが、指先が温かくなるほど暖房の設定温度を高くすると、暑すぎてしまって苦手です。

そこで、なんとか右手だけを良い感じに温められるグッズがないか探してみました。以前からそうしたグッズはAmazonで見かけましたが、正直なところどれも微妙に見えます。信頼できそうなブランドの製品がないからですが、せっかくなのでまとめて4点ほど購入して試してみました。

暖かいマウス

まずは「暖かいマウス」から。価格は1,899円でした。右手が寒いならそもそもマウスが発熱すればいいのでは、というシンプルな発想に基づいた製品です。機能としては2ボタン、ホイールだけを装備した有線マウスです。発熱するので有線なのは当然かもしれません。USBで接続した時点で発熱し、温度調節はできません。

暖かいマウス。手前の数字表示は温度を表示しているのかと思いましたがただのプリントでした

実際に使ってみると、確かに暖かい。暖かいのですが、暖かいのは手のひらだけです。発熱部分はマウスの手のひら部分だけなので、ボタンや側面は発熱しません。残念ながら指先は相変わらず冷たいままです。手のひらが温かければ、そこから指先も温まるかと思いましたが、そんなことはありませんでした。

もう少し価格があがってもいいので、ボタン部分や側面にもヒーターを入れて欲しいところです。特に気になるのが小指の冷たさで、ボタンよりも側面にヒーターが欲しいと感じました。

通電するとホールが暖かそうに光ります。

電熱グローブ

暖かい毛糸の手袋にヒーターを入れて暖めようという製品です。価格は2,380円でした。USBコネクタから給電して、手の甲の部分に入っているヒーターを加熱することで暖かくなります。電源スイッチはないのでUSBを接続するとその時点で通電します。指先がカットしてあり、キーボードの入力などもできるようになっています。

毛糸の手袋という時点で、装着しただけで暖かいです。むしろヒーター要らないのではと思ってしまいますが、ヒーターの電源を入れるとさらに暖かくなります。温度が低めの部屋ならありかなと思います。

指先がカットしてあるのでやはり指先は冷たいです。ただ、筆者の場合は指のほとんどが手袋に覆われるため、意外とアリな感じでした。

ミトンのようにすることも

しかし、毛糸の手袋というのが禍し、マウス操作に難があります。手袋自体の生地が厚いので、マウスを旨く握れないのです。毛糸なのでマウスが滑ってしまうのも厳しい感じでした。手袋に繋がっているUSBケーブルも地味に邪魔です。キーボードの入力には支障がなく、快適でした。

マウスはちょっと握りにくいです

USB加熱マウスパッド

ちょっと期待度が高かったのが、この製品です。価格は999円でした。マウスパッドの周りをいかにも暖かそうな生地で覆ってあり、そこにUSB接続のヒーターが入っています。こちらも電源スイッチはなく、USBケーブルを挿さすと通電されます。フードの中でのマウス操作は難しいのでは? を思っていたのですが、その点は思いのほか支障はありませんでした。

しかし、致命的だったのがヒーターのサイズです。写真をみると納得できると思いますが、ヒーターがあまりに小さすぎます。そのせいで、フードの中全体は暖まらず、暖かいのは「手の甲」だけです。手の甲自体はむしろ暑いくらいになります。が、人差し指や中指はまだフードの奥にあるのでまだ良いのですが、小指は隙間から外気にさらされやすく、ヒーターも届かないので普通に寒いです。残念。価格相応というところでしょうか。

ちょっと残念なヒーターサイズ

例えば、ヒーターの幅が広いだけでもかなり改善されると思いますし、ヒーターは底面に入れるほうが、暖かかさをより感じられるのではないかと思います。底面に広めにヒーターが入るようにすれば、実用性はかなり上がると思うのですが。

一応暖かいのですが、スキマが多く小指が冷たかったです

電熱デスクパッド

これまでの製品のなかで一番力技感が強いのがこの製品です。価格は2,522円でした。80×33cmの大型のマウスパッドで、パッド全体がヒーターになっています。電源はこれまでの製品のなかで唯一USBではなく普通の電源コンセントです。しかも唯一「電源スイッチ」もあります。当たり前の機能が当たり前に付いているのは安心です。温度は40度と45度、50度の3段階に切替えが可能になっています。

3段階の温度切替が可能です

表面はマウスパッドとして使えるようになっているので、これを机の上に敷き、その上にキーボードやマウスを置いて使います。

実際に使ってみると、これは予想外に快適でした。熱源が手のひらの下にあるので、自然と熱が伝わってきますし、マウスとキーボードを置いてしばらくすると、パッドの上で加熱されて「あったかキーボード」と「あったかマウス」の出来上がりです。

マウス全体に熱が伝わると、指が触れている部分も意外と暖かくなります。最初に紹介した「暖かいマウス」よりもマウス全体がほんのり暖まるので、指も温かいです。特にいつも冷たい小指部分は、パッドからの熱気で十分暖かさを感じられます。

下からの熱とマウス自体もほんのり暖かくなることから、かなり暖かさを感じます

結論として、本製品が最も「マウスを握る右手が冷たい」問題を解消することができました。

寒い部屋だとキーボードも意外と冷たくなるのですが、ほどよく暖まってくれて、キーが冷たくないのもなかなか良いです。

キーボードも全体的にほんのり暖かくなります

最高温度の50度設定だとさすがに熱く感じるので40度設定で使っていますが、これでもずっと手を乗せていると若干熱く感じるくらいです。

気になるのはキーボードやマウスも半導体製品ですので、熱を加えて大丈夫なのか、というところですが、元々発熱が激しいデバイスでもありませんし、最高でも50度程度の温度なので、それほど危険性はないかと思います。このあたりは自己責任です。

ただ、製品説明ではノートPCを直接パッドに乗せて使えることをアピールしていますが、これはあまりお勧めしません。元々発熱の激しいノートPCに+50度はかなりリスキーです。ノートPCを使うなら、外付けキーボードにしておいて、本体はパッドの外に置いたほうが無難でしょう。

清宮信志