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名鉄広見線 新可児~御嵩が廃線 29年4月

名古屋鉄道は、広見線の新可児駅~御嵩駅間を2029年4月1日に廃止する。沿線市町(岐阜県御嵩町・可児市・八百津町)が、自治体が維持管理費を負担する「みなし上下分離方式」による鉄道存続協議を終了する旨を公表したことを受けて決定した。

当該線区は、1920年に広見駅~御嵩駅間(現在の新可児駅~御嵩口駅間)で開業。沿線の交通手段として利用されてきたが、道路網の整備に伴うモータリゼーションの加速や、少子化・人口減少の進行により輸送人員の減少が続き、2007年に名鉄から沿線市町へ当該線区の現状報告を踏まえ、これ以上の維持存続が困難である旨を申し入れた。

沿線市町は2010年から、毎年1億円(御嵩町7,000万円、可児市3,000万円)を、運営支援金として名鉄へ補助することを条件に協定を結び、当該路線の運行を継続してきた。また、名鉄と沿線市町と協力しながら利用促進に向けた活性化策を行なっていた。しかし、利用者は減少し続け、コロナ禍による新常態の定着より今後の輸送需要がコロナ禍前まで戻らない見込みで、収支改善も見込めない状況にあった。

設備の老朽化による抜本的な更新投資が必要な状況ということもあり、2023年に名鉄から沿線市町に対し、現行の方式による運行継続は困難であると伝え、持続可能な地域公共交通のあり方について協議を行なってきた。

このような状況の中、沿線市町として「みなし上下分離方式による鉄道存続の方針」にて合意したことを確認し、2025年8月より、2027年4月からのみなし上下分離方式への移行に向けた協議を沿線市町と進めてきた。協議の結果、沿線市町のみなし上下分離方式による鉄道存続の協議終了が発表され、名鉄としては、一民間事業者の自助努力だけで路線を存続させていくことは極めて困難であると判断し、当該線区を廃止し撤退することを決定した。

沿線市町は、みなし上下分離方式による鉄道存続協議終了の理由について下記4点を挙げている。

  • 低燃費車の普及、道路整備等による車社会のさらなる進展、人口減少、少子高齢化、生産年齢人口の減少により、利用者の減少に歯止めが掛からず、恒常的な利用者増加が見込めない。
  • みなし上下分離方式として、沿線市町が担う“下”部分の財政的負担(3.4億円/年)が大きく、他の住民サービスへの影響が避けられない。
  • 近年の物価高騰や人件費上昇により、事業費、沿線市町負担額が今後さらに増える可能性がある。
  • みなし上下分離方式の性質上、災害時には沿線市町が担う“下”部分の復旧費用を負担する必要もあり、突発的費用負担への対応が難しい。

沿線市町としては、現在の利用者への配慮や、バスなど他の方法による地域公共交通を協議・準備する必要もあることから、現協定を延長の上、2028年度末までの運行継続を要望。28年度まで年額1億円の運営費支援を行なうことを8月3日に公表した。

廃止する新可児駅~御嵩駅間は7.4km。駅は新可児駅、明智駅、顔戸駅、御嵩口駅、御嵩駅の計5駅。2025年度の輸送人員は78万4,785人/年、輸送密度は1,687人/日、駅別一日平均乗降人員は明智駅が741人、顔戸駅が176人、御嵩口駅が247人、御嵩駅が1,099人。

名鉄は今後、8月4日に国土交通大臣へ廃止届出書を提出する手続きを進める。