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楽天市場、AI導入で目指す「お店のような接客体験」
2026年7月7日 15:30
楽天グループは7日、「楽天市場」におけるAI活用についての説明会を開催し、ユーザー向けの新機能のほか、出店者向けの業務効率化などについて説明した。
ユーザー向けには楽天市場の体験向上を軸にAIを導入し、「お店で接客を受けているような体験」とともに売上の拡大を目指す。また、店舗向けでも省力化だけでなく、店舗の魅力最大化に向けたAI活用を強化する。
検索と共存する「AIの価値」 目指すは「お店のような体験」
楽天市場の利用者向けには、膨大なデータから「検索」以外に好みの商品を見つける手段としてAIを活用。25年12月からは対話を通じてショッピングできる「AIコンシェルジュ」、25年11月からは商品との偶発的な出会いを促す「ディスカバリーレコメンデーション」を導入している。
AIコンシェルジュは、「セールで安くなっているインテリア家具」などを問い合わせると、ジャンルや目的をチャット対話で深堀りするなど「潜在ニーズ」を抽出。楽天の商品から、予算や目的にあったものを提案する。
この機能により購入までの時間が約41%短縮されたほか、平均注文金額も約17%向上するなど、楽天市場の売上拡大にもつながっている。
AIコンシェルジュの新機能としては、「商品比較」に対応。発送状態や配送目安、レビュー傾向などから商品を比較。検討のための「ポイント」を提示することで、商品を選びやすくする。最大4つまでの商品をチャット上で比較できる。
加えて、商品の特徴やサイズ感、素材、カラー、主要レビュー、注意点などをまとめた「商品詳細」に対応。ページを見に行かずに、細かな情報を確認し、追加質問も行なえる。
12月にスタートした「AIコンシェルジュ」だが、「利用は予想を大きく超えて伸びており、質問の量も凄く増えている」(楽天グループ 執行役員 市場編成部 ジェネラルマネージャー 髙間真里氏)という。
特に利用が伸びるのが「スーパーセール」や「お買い物マラソン」などの大きなセールのタイミング。「10店舗買い廻り」するとポイントが伸びるという設計になっていることから、「凄く抽象度の高い質問が増える」という。例えば、「いま安いものなんだろう」「買い忘れは?」といった質問は、それだけでは検索に繋がらないものの、チャット入力であれば、対話を行なうことで商品購入につなげられるとする。
こうした「検索で取れない」ニーズを取得できる点がAIチャットの特徴だが、「(AIチャットについては)まだアクセルは踏んでいない」(髙間氏)とのこと。「まだAIコンシェルジュのナビゲーションの場所も限定している。ニーズにあった回答の質が保てないと、顧客の満足に結びつかないので、いまはそこを強化していきたい」と説明。全てがAIチャットになるわけではないが、「(利用)シェアは大きく伸びると考えている」とした。
今後のAIコンシェルジュの強化としては会話の品質改善やより文脈を維持した回答など、会話品質の向上に加え、店舗それぞれの知見を反映したAI回答などを予定。加えてパーソナライズを強化していく。
購入履歴などからパーソナライズさらたオススメを表示する「ディスカバリーレコメンデーション」では、SNS感覚の買い物体験を強化。こちらは、店舗の個性や商品の魅力を活かしたショート動画やオリジナルコンテンツを活用し、「お店で接客を受けているような体験を目指している」という。
今後の強化としては「ライブコマース」で、行動データなどを活用しながら、「楽しい買い物体験」をAIを活用しながら作っていく。
なお、ChatGPTなどのAIサービスからの楽天市場への流入については、「確実に伸びている」としながらも、従来のGoogle等の検索のボリュームのほうが多く、当面はAIも検索も共存していくとする。
AI回答への広告の可能性については、「まずはユーザー体験を向上させることを優先している。どうすれば店舗にメリットが出るかを検討しているが、AIによるオススメは商品提案数が限られるので、幅広い選択肢を知りたいという場合には提案が限られてしまう。いまはユーザーの行動を分析しながら、店舗に案内できる機会が来たら導入したい」(髙間氏)と回答。エージェンティックコマースについては、「我々としてはチャンスが増えると思っている。方針が決まったらご案内したい」と述べるに留めた。
業務効率化のAIから提案型エージェントに
出店店舗向けのシステムでは「Rakuten AI for RMS」を提供しており、商品説明文の作成や画像加工、問い合わせ回答作成、AIチャット回答、店舗データ分析などに対応。楽天市場の半数の店舗がすでに活用しているという。
加えて、「データ分析エージェント」など課題解決のためのエージェントも導入。業務の効率化のためのAIから、事業の拡大や提案型のエージェントを強化していくとした。
ギフトショップを運営する「momo-fuku」では、Rakuten AI for RMSを積極導入。顧客対応においても、従来はメール対応の負荷が高く、1件回等するにも10分以上かかることがあったが、AIにより1~3分程度に削減。月間では約67時間から20時間まで対応時間が削減できたという。
問い合わせ対応における。敬語の正しい使い方や、ギフトに関する知識などをAIが支援してくれる点も助かるとのこと。また、商品登録においても、以前は外注していたこともあったが、AIに多くを任せられるようになったため、アイテム数も1,000から1万まで拡大しているという。加えて、RMSでレポート確認できるため、以前依頼していた月1のコンサルティングなどが不要になるなど、コスト面のメリットも生んでいるという。













