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川崎アリーナプロジェクト始動 京急川崎駅前に1万人アリーナ
2026年1月29日 19:35
DeNAは、京浜急行電鉄(京急)と共同で推進してきた、Bリーグ・川崎ブレイブサンダースのホームアリーナを含む複合エンターテインメント施設建設プロジェクトの名称を「Kawasaki Arena-City Project(アリーナシティプロジェクト)」に決定した。パートナー企業とともに、アリーナとその周辺地域を中心とした街づくりを一体的に行なう。その第1弾として、味の素、三菱化工機とのパートナーシップを締結した。
京急川崎駅隣接エリアにて「川崎新! アリーナシティ・プロジェクト」として進められていた事業。プロジェクト名称を改称し、装いを新たに始動する。2027年着工、2030年10月開業予定で、計画発表当初よりも2年の遅れが生じている。収容可能人数は1万人以上。
アリーナが建設される場所は京急川崎駅の東側(多摩川側)で、KANTOモータースクール川崎校跡地。京急とJRの鉄道に挟まれた立地となる。住所は神奈川県川崎市川崎区駅前本町25-4。
アリーナシティプロジェクトの対象エリアは、JR川崎駅北口からのメイン通路、京急駅前、高架下、アリーナまでに及ぶ。多摩川河川敷の整備・開発とも連携する。対象エリア内の「ヨドバシアウトレット京急川崎」が1月25日に閉店しているが、跡地も街づくりに活かしていく計画。ただし地権者である京急の管轄であるため、今回の発表の主体であるDeNAからの具体的な情報公開はなかった。
アリーナの屋上には、多摩川を望める「ルーフトップパーク」を整備。誰でも使える憩いの場として開放する。
DeNAはアリーナ開発だけではなく、街に賑わいをもたらすコンテンツ開発にも取り組む。具体的には、川崎ブレイブサンダースのホームゲーム会場としてのコンテンツにとどまらず、ダンスや音楽など川崎カルチャーを中心としたスポーツ・ライブエンタメの興行開発を計画している。
プロジェクトでは、年間330万人の来場を見込むアリーナシティを舞台とした、持続可能な街の開発「Kawasaki 2050 Model」も推進する。パートナー企業との共創を通じて社会課題の解決に挑む社会実装型サステナビリティプラットフォームとして次世代都市モデルの世界的ベンチマークを目指す。
Kawasaki 2050 Modelでは、世界共通の社会課題となっている「気候変動」「自然再興」「循環経済」「個性の躍動」「心身の健康」の5つをテーマに掲げ、それぞれのゴールを設定。国際的な環境期限である2050年までに5大目標のすべてを達成することを目指す。
目標に向けて、サステナビリティに注力したアリーナや文化施設の開発、運営実績を持つオークビュー・グループとパートナーシップセールス領域を中心に業務提携。世界最先端のトレンドやナレッジを活用する。
また、アリーナを核とする街区全体を対象としたプロジェクトとしての「LEED for Communities認証」取得を目指す。LEED認証は建物の環境性能を総合的に評価・認証する国際的なシステムだが、「LEED for Communities認証」を取得すれば、アリーナを核とする街区開発における認証実績としては世界初になるという。
次世代都市モデルの社会実装に向けた取り組みは、アリーナ開業前から動き出す。DeNAや川崎ブレイブサンダースが運営管理する施設や周辺地域を舞台に、パートナー企業と早期共創・実用化に向けた検証を開始する。
Kawasaki 2050 Modelに向けたパートナー企業の第1弾として、味の素、三菱化工機が参画する。ともに川崎に縁のある企業。
味の素の川崎事業所は、1914年に世界初のうま味調味料「味の素」の本格操業を開始。現在も研究開発およびグループ最大規模の生産拠点として、味の素をはじめ、ほんだし、クックドゥ、クノールカップスープ、アミノバイタルといった製品から、医薬品や石鹸の原料まで、750品目を超える製品を製造している。また、川崎ブレイブサンダースが川崎市とともに推進するSDGsプロジェクト「&ONE(アンドワン)」のオフィシャルパートナーを務める。
また、味の素はルーフトップパークのエリアネーミングライツを取得。パークから食・ヘルスケアを中心としたWell-being創出を目指す。
三菱化工機は、プラント建設やインフラを支える設備の製作・建設、船用機械、産業機械などを手掛ける企業。1935年に川崎市で創業した。現在はGX事業にも取り組んでおり、循環型社会推進、クリーンエネルギー、省力・省エネ、次世代技術開発といった領域に取り組んでいる。具体的には、水素ステーション建設、下水バイオガス関連設備建設などを行なっている。
GX事業の1つとして、川崎発の技術・ビジネスモデルで世界を循環社会に変えるプロジェクト「MKKプロジェクト by 三菱化工機」を25年7月に発足。三菱化⼯機が有する環境対応・創エネルギー技術と共創パートナーが有するアセットやノウハウを活用・融合させ、川崎発の環境技術の確立、社会課題解決ソリューション・ビジネスモデルの創出を目指す取り組みを開始した。
中でも「水素由来クリーンエネルギーのサプライチェーン構築」において、水素吸蔵合金・燃料電池⼀体型システム「HyDel(ハイデル)」の運用を25年12月から「カワサキ⽂化公園」にて開始。アリーナシティへの水素エネルギー導入に向けた常設稼動設備の検証・実証として、水素による公園施設の⼀部電力供給、年間稼動データの蓄積・分析、サプライチェーン構築検証に着手している。
DeNAは2026年からKawasaki 2050 Modelの協業を本格化。今後も参画パートナーを募集する。
DeNA 代表取締役社長 兼 CEOの岡村信悟氏は、「川崎は新しい企業、イノベーションを生み出す企業が生まれる力を持った場所。その川崎に新しい価値を加え、川崎市や京急、Kawasaki 2050 Modelのパートナー企業とともに、サステナブルな都市として川崎を発展させていきたい」との思いを語った。
DeNAは神奈川県内において、プロ野球の横浜DeNAベイスターズやサッカーのSC相模原を持つ。さらにベイスターズの本拠地である関内駅前再開発事業「BASEGATE横浜関内」にも参画している。岡村氏は「スポーツで人と街を元気にすることが私たちの目標。また、テックカンパニーであることが我々の本質であり、ITやAIをフル活用し、様々な形で神奈川の各チーム、クラブで連携していく」と説明した。
発表会では、アリーナ開発で協業する京急 取締役社長 川俣幸宏氏、川崎市 市長 福田紀彦氏も登壇。
川俣氏は「23年3月の計画発表以降、世の中の環境が大きく変わり、荒波に揉まれながらDeNAとともに実現に向けて知恵を出しあって取り組んでいる。京急も川崎大師の参詣に向けた鉄道というところからスタートした、川崎が原点の会社。その土地で川崎市や各事業者、地域の方々とともに協力をいただきながら取り組んでいきたい」と話した。
福田市長は、「プロジェクトに、川崎に縁の深い2社がパートナーに加わり、新しいスタートを切れた。川崎市では水素を中心とした脱炭素の取り組みやプラスチックリサイクルなど、様々なチャレンジを進め、大都市の責任としてサステナブルやネイチャーポジティブといったことを世界に発信するという施策を推進してきた。アリーナプロジェクトはこれを体現し、世界の皆さんに見ていただけるようなエリアになるのではないかと思っている」と述べた。


























