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バイナンスのクレジットカード登場 暗号資産で1.6%還元
2026年1月13日 20:02
Binance Japanは、クレジットカード「Binance Japan Card」の申込受付を13日から開始した。カードの利用で暗号資産の「BNB」が貯まるのが特徴。
Binance Japan Cardは、毎月の利用額の1.6%相当が暗号資産「BNB」で還元されるクレジットカード。ライフカードが発行し、国際ブランドはJCBを採用している。年会費は初年度が無料、2年目以降は1,650円だが、年間10万円以上の利用で無料になる。旅行保険などの付帯サービスや、追加サービスとしてETCカードも用意される。
暗号資産のBNBは、ポイントのように使えることを目指した、実用性を高めた設計が特徴のユーティリティトークン。バイナンスのサービスで取引手数料の支払いに利用できる。一般的なポイントと異なるのは、一定量を一定期間ロックすることで報酬を得られるシンプルアーンなど、暗号資産としても活用できる点。今後も、BNBを保有していることで価値が増減する投資の要素を体験できたり、さまざまな特典を受けたりできるようになるという。
Binance Japan代表取締役の千野剛司氏は、クレジットカードを提供する背景について、「投資家や一般ユーザーが暗号資産に触れる機会はまだまだ少ない。暗号資産は次の金融業界の重要な要素で、負のイメージの払拭も重要。日本市場はポイント経済がすごく発展している。ポイントのように暗号資産を経験できる」と説明。「BNBの経済圏が広がれば、BNBの価値が高まる投資の要素もあり、通常のポイントとは違う差別化ポイントだ」と、暗号資産で還元する特徴にも触れている。
なお、国際ブランドにJCBを選んだ理由については、「日本でやっていくひとつのコミットメントとして、日本のブランドであるJCBに早い段階で決めた」とのことだった。
2025年はビットコイン“保有企業”が増加
千野氏からは、暗号資産業界の2025年の総括と、2026年の展望についても語られた。2025年は暗号資産の市場規模が世界全体で500兆円規模にまで拡大し、「金融資産の一角として存在感を確立した」と振り返る。ステーブルコインの躍進も注目される。
2025年は国内外で、暗号資産関連でない一般的な上場企業がビットコインをはじめとした暗号資産の購入を進めるケースが急増したのも特徴とし、これらの企業への投資が、間接的な暗号資産への投資になっていると指摘している。
2026年は「金融との距離が近づく」
2026年は、暗号資産業界の動向の中心であるアメリカで監督官庁が整理されるなど規制改革が進み、「既存の金融との距離が近づくだろう」と予測。ETFとステーブルコインの拡大は暗号資産の社会実装を牽引するとした。
千野氏はAIとブロックチェーンの親和性の高さにも言及。すでにAIは投資のアドバイスや相談相手として活用されているが、次の段階は「投資の管理」にまで進化し、やがてすべての取引がAIにより自動化される世界もあると予測している。既存の金融商品はシステムが分断されており、AIなどの新システムが横断的に利用することは難しいが、暗号資産はブロックチェーンを参照するため、自動化を格段に進めやすいという。「暗号資産の世界でも、AIがキーワードになるだろう」(千野氏)。
バイナンス自身は、暗号資産取引所として世界最大規模。米サークルとパートナーシップを締結しており、サークルが発行する米ドルに紐づいたステーブルコインのUSDCを今後日本でも流通させる計画。日本円に紐づいたステーブルコインも登場しており、日本のバイナンスでも2銘柄を取り扱う予定で、こちらは「2026年の第1四半期には開始したい」と見通しを示した。
また今後、バイナンスの取り組みは金融の要素が強くなると予測しており、各国で円滑に活動する目的で、ADGM(Abu Dhabi Global Market)のライセンスを取得、これまで漠然としていた企業としての“拠点”を明確化した。ADGMは、アラブ首長国連邦(UAE)のアブダビに設立された国際金融センター兼経済特区。
日本国内の暗号資産業界は、2025年に1,000万口座を突破(名寄せしていない数とのこと)。稼働口座は836万口座で、預託金は4兆円を超えている。
日本市場では今後、既存のUI・アプリを使いながら「裏側でブロックチェーンを活用する方法」が拡大すると予測する。Binance JapanとPayPayが資本業務提携を締結(PayPayがBinance Japanの株の40%を保有)したのもそうした動きの一環とし、PayPay残高でバイナンスの暗号資産を買える取り組みなどは、従来の暗号資産を購入するハードルの高さを下げるものとしている。
規制・税制に大きな変革の年
今後の日本の暗号資産関連の規制・税制改革については、2025年末に大枠が示されており、2026年に施行されると見込まれている。
暗号資産は資金決済法から金融商品取引法に移行する見込みで、これにより既存の金融商品と同列に扱われることになり、投資家保護が強化され、暗号資産現物ETFの導入などにも道筋をつける形になる。税制は、業界が長らく望んできたように、総合課税(最大55%)から分離課税(20%)に変更される見通しで、投資が拡大すると予測されている。
千野氏は、こうした規制・税制改革を肯定的に捉えているものの、懸念点も解説する。投資家保護の観点については、責任準備金が必要になるとスタートアップ企業の参入障壁になるとし、「面白い人達を育てるのと、投資家保護をどうバランスしていくのか。(規制改革は)バラ色の話ではない。銀行業界には預金保険機構があるが、これを個社で積み立てる形になるのは厳しい」と指摘している。
規制の対象になる暗号資産の“発行体”の定義も、暗号資産の銘柄によっては特定が難しいなど、課題が残っているという。株の情報開示に相当する仕組みも検討されているが、こちらも発行体の存在をどう定義するのかなど課題が山積しており、制度の動向を注視していく必要があるとしている。
















