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SBIラップ、オルカン・S&P500以上のリターンを目指す「ALL株式」

SBI証券とFOLIOは、三井住友DSアセットマネジメントが投資助言を行なう「SBIラップ ALL株式コース」を12月20日に開始する。

SBI証券とFOLIOはSaaS型投資一任プラットフォーム「4RAP(フォーラップ)」を通じて、22年3月からSBIラップを開始した。12月11日には、SBIラップの運用資産残高が2千億円を突破した。

SBIラップはオンラインにおいて、AIによる「AI投資コース」、野村アセットマネジメントのプロが運用する「匠の運用コース」、レバレッジ運用の「レバナビコース」「レバチョイスコース」の、3タイプ・4コースを提供している。これらに「ALL株式コース」が加わる。愛称は「株ラップ」。

ALL株式コースは株式への資産配分を100%とするコースで、三井住友DSアセットマネジメントから投資判断に関する助言を受けて、FOLIOが運用する。これまでの「SBIラップ」にはない運用戦略により世界株式(MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(除く米国))を上回るパフォーマンスを目指す。

運用戦略について説明する三井住友DSアセットマネジメント 投信営業部長 田村一誠氏

ALL株式コースでは「米国株式セクター戦略」「米国株式ファクター戦略」「グローバル株式(米国除く)戦略」の3つの投資戦略を組み合わせて機動的に資産配分する。

米国株式セクター戦略では、S&P500を上回るリターンを目指し、GICS分類の11セクターから魅力度の高いものを選定。景気拡大局面では情報技術・通信サービス、減速局面では公益事業・ヘルスケアなどディフェンシブセクターが優位な傾向があるが、定量分析でセクターを選定し、そこに定性判断を加えて投資判断を行なう。

「GICS(世界産業分類基準)」で分類された11セクター

米国株式ファクター戦略は、景気局面に応じて有効なファクターを選び、S&P500を上回るリターンを目指す戦略。定量法で景気動向を分析し、小型バリュー、バリュー、グロース、モメンタム、小型コア、大型コア、クオリティ、低変動の8種類のファクターから選定を行なう。また、データ分析に加えて運用チームが定性的な検討を行ない、投資判断を行なう。

グローバル株式(米国除く)戦略では、米国を除く世界株式に投資し、MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(除く米国)を上回るリターンを目指す。国・地域別の魅力度を定量分析と定性判断で評価し、景気指標や市場動向を踏まえ、投資配分比率を調整する。

ALL株式コースの申込手数料は無料、手数料は0.770%(年率)、投資対象ファンドを保有することで発生する費用は最大0.773%(年率)。

なお、SBIラップはNISA口座では購入できない。昨今では資産運用といえばNISAの話題が多いが、昨今では資産運用といえばNISAの話題が多いが、SBI証券 執行役員常務投資信託部長 上原秀信氏は「NISAの税金がかからないというメリットに対して、ファンドラップは手間がかからないというメリットがあり、そこに魅力を感じる投資家の方もいる。さらにSBIラップについては1%を切る水準のトータルコストなども、受け入れられているポイントなのではないか」と説明した。

SBI証券 執行役員常務投資信託部長 上原秀信氏

FOLIOホールディングス 代表取締役社長兼CEO 甲斐真一郎氏は、FOLIOによる基盤「4RAP」について「SaaS型のプラットフォームのため随時機能がアップグレードされる」とし、そういった機能の1つとして「複数商品の同時運用機能」を挙げた。

ファンドラップでは1つの口座に対して1つの運用コースというのが一般的だったが、4RAPでは1つの口座で複数のコースを同時運用できる。

FOLIOホールディングス 代表取締役社長兼CEO 甲斐真一郎氏

こういった特徴もあり、上原氏によればSBIラップでは「1つのコースを持ち続ける人が約67%と最も多いが、複数併せて持っている人が32%、さらに全てのコース併せ持ちが6%もいる」という。これらのデータから、「ALL株式コースは、もちろんオルカンなどをお持ちの方に注目してほしいが、SBIラップで併せ持ちをされている方にも注目されるのではないか」と考えている。