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Xの「青バッジ」誤認で217億円の制裁金 欧州委員会

欧州委員会は5日(現地時間)、Xに対してデジタルサービス法(DSA)に基づく透明性義務違反として、1億2,000万ユーロ(約217億円)の罰金を課した。違反の理由は、Xの「青いチェックマーク」の誤解を招くデザインがユーザーを欺くなどと指摘している。

Xが「認証済みアカウント」に用いている「青いチェックマーク」は、金銭を支払うことで誰もが「認証済み」ステータスを取得できる。欧州委員会は、「オンラインプラットフォームがサービス上で誤解を招くデザイン手法を禁止するDSA義務に違反する」と指摘している。

DSAでは、認証が行なわれていないにもかかわらず、ユーザーが「認証済み」と主張することを禁止。青いチェックマークの現在の運用は、ユーザーがアカウントやコンテンツの真正性を判断することが困難になり、「詐欺行為や、悪意ある者によるその他の操作にユーザーを晒す」としている。

また、Xの広告リポジトリの透明性不足、研究者への公開データ提供義務の不履行なども罰金の理由としている。欧州委員会は24年7月に予備的見解を採択していたが、今回違反決定を下し、DSAにおける初の違反事例となった。

DSAは、プラットフォーマーにオンラインにおける安全性向上の責任を求める法律。違反が最終的に確認された場合、当該企業の全世界における年間総売上高の6%を上限とする制裁金を罰則として定めている。今回の罰金額は、違反の性質や、影響を受けたEUユーザー数に基づく重大性、違反期間を考慮して算定したという。