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Photoshopに違和感ない合成機能「調和」 Lightroomはニキビ消し

調和

アドビは28日、「Adobe Photoshop」や「Adobe Lightroom」、「Adobe Illustrator」の最新アップデートを発表した。Adobe Photoshopでは違和感の少ない合成を可能とする「調和」機能が搭載され、Adobe Lightroomではニキビなどを素早く修正する「傷補正」が追加された。

Adobe Photoshop:よりリアルな合成や高解像度化が可能に

Adobe Photoshopでは、ベータ版で高評価を得た「調和」機能が製品版として搭載された。この機能は、合成する素材(写真やイラスト)の光や色味をAIが背景に自動であわせて、違和感の少ないリアルな合成を可能にする。

また、高解像度化の選択肢を広げる「生成アップスケール」も実装。アドビのFireflyアップスケーラーに加え、人物描写に強いTopaz Gigapixelや、絵柄を変えてでも解像感を高められるTopaz Bloomといったパートナーモデルを用途に応じて選べる。

このほか、「生成塗りつぶし」では、Fireflyに加えてGemini 2.5 Flash Image(Nano Banana)やFLUX.1 Kontextなど外部モデルの利用にも対応した。

生成アップスケール
生成塗りつぶし

Adobe Lightroom:ニキビを消す機能を追加、写真選別も効率化

Adobe Lightroomでは、AIが肌のニキビやシミ、ホクロなどを認識して修正するクイックアクション「傷補正」がモバイルおよびWeb版に追加された。また、風景では雪も識別できるほか、センサーやレンズのゴミも自動で検出・除去できる。「生成AI削除」機能も強化され、オブジェクトだけでなくその影まで認識してより正確な除去が可能になった。

このほか、写真の選別機能も効率化し、デスクトップ版およびLightroom Classicで「アシスト選別」(アーリーアクセス版)が提供された。AIが大量の写真の中から、被写体の目が閉じている写真や、フォーカスの状態、撮影アングル、シャープネスなどさまざまな条件でフィルタリングし、写真整理にかかる時間と労力を大幅に削減できる。

Adobe Illustrator:画像を回転できる機能を搭載

Adobe Illustratorでは、生成AIによる「ベクターを生成」機能に、品質が向上した新モデル「Vector 4」が追加された。また、新機能「ターンテーブル」(ベータ版)を搭載し、2Dのベクターデータをもとにオブジェクトを回転させたときの見え方をAIが推定し、さまざまな角度からのオブジェクトを50パターン以上自動生成できるようになった。

フォント関連では、フォントメニューの読み込みが高速化されたほか、よく使う書体だけをまとめて管理できる「フォントライブラリー」や、Adobe Fontsから人気・新着のフォントを検索してアクティブ化できる「もっと探す」が追加された。

また、スマートガイドには垂線や接線などを示す「幾何学ガイド」が新設され、カラー機能では中間色が濁りにくい新しい「視覚的」グラデーション形式やプリセットも追加。アートボード機能などの操作性も強化されている。