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ユーザー誤認させる「ダークパターン」を防げ 認定マーク審査開始
2025年10月15日 16:01
ダークパターン対策協会は、主な取り組みである「NDD認定制度」の正式運用を開始した。審査の受付を開始しており、まずは協会の正会員である20社が審査に申し込み、このほか数社も審査予定。年内には認定マークが付与されたWebサイトが登場する見込みになっている。
ダークパターンとは、ユーザーを意図的に誤認・誘導させる不適切なデザインを指す。「NDD認定制度」は、欺瞞的でないデザイン(Non-Deceptive Design)を採用する“誠実なWebサイト”を認定しマークを付与する制度で、安心して利用できるWebサイトであることを第三者が認定し、それを周知するのが目的。
同協会の取り組み内容は7月に発表されており、NDD認定制度の第1段階である自己審査はチェックシートなどが公開され、すでに実施できるようになっていた。
10月15日からは、審査の第2段階である、認定審査機関による1次審査の受付が開始された形。審査の第3段階は同協会による最終審査で、合格すると認定マークが付与される。
第三者である認定審査機関は適格消費者団体で、3団体が登録済み、1団体が手続き中。今後は地方銀行や一般企業が認定審査機関になる取り組みも進める予定。
ダークパターン対策協会は、7月にWebサイトを開設すると同時に、ユーザーからダークパターンに関する被害報告を受け付ける「ダークパターン・ホットライン」を開設している。現在までの3カ月間で60件以上の情報が寄せられ、通報内容の傾向として「解約しづらい設計」が約30%、条件がわかりにくい、選んでいない商品が追加されているなど「購入前最終確認画面での誘導」が約20%などとなっているという。詳細な第1回レポートは11月中旬に公開される予定で、今後も定期的にレポートが公開される。
若年層や高齢者などITリテラシーの低いユーザーがダークパターンの被害に遭いやすい傾向があるとしており、7月時点で啓発動画の公開が予告されていたが、10月15日には小学生~高校生向けに合計8本の動画がYouTubeなどで公開された。消費者庁と文部科学省のレビューを経て制作されたもので、保護者やPTA、学校でも利用可能。今後、埼玉県のある高校でこの動画を利用した授業が実施される予定になっている。
日本国内では、ダークパターンに該当する部分を所轄する省庁が複数あり、包括的な規制が難しいという課題がある。ダークパターン対策協会は、内閣府の消費者委員会にて法規制の課題について意見陳述を行なったとしており、法規制の課題を解決する組織づくりやその推進を要望していく方針。また、公正取引委員会もダークパターンの規制について研究を始めているとのことだった。












