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高性能VRヘッドセット「MeganeX」 早くも改善版が登場
2025年10月14日 20:59
Shiftallは、超軽量VRヘッドセット「MeganeX superlight 8K」をユーザーからのフィードバックを元にバージョンアップした「MeganeX 8K Mark II」(SVP-VGC4B)を発表した。価格は前モデルと同じ249,900円。発送は12月中~下旬を予定する。
予約受付は14日から開始されている。発売までの先行予約では保証期間を2年延長し3年間とする特典を用意する。また、同日発表のSteamVRトラッキング対応の汎用VRコントローラー「GripVR」もしくは発売済みの「FlipVR」(どちらも59,900円)をセットで購入すると、コントローラーが10%割引の53,910円になる。
前モデルMeganeX superlight 8Kのユーザー向けには、アップグレードサービスを提供する。マイクロOLEDパネルやレンズといった高コストな基幹部品が新モデルでも変更されていないためで、そのほかの基板や外装などを換装し、MeganeX 8K Mark II相当にしてユーザーに返送する。アップグレード費用は送料込みで59,900円。2026年1月から受け付ける予定。
OSやチップも変更
MeganeX 8K Mark IIの変更点は、USBケーブル接続部の耐久性向上、下向き時のトラッキング性能向上、Linuxベースの独自・新OSと新チップ搭載で起動時間・安定性を向上、供給電圧を変更して長尺ケーブルや多くの周辺機器に対応、ピント調整ダイヤルのゼロ位置マーキング追加、鼻の高い顔立ちに対応する形状の改良、冷却構造の変更と静音化、など。
また、装着方法は3種類を用意する。従来と同じパッケージ同梱の「ソフトストラップ」に加え、別売りオプションとして、固定力を高めフリップアップ機構も備える「ハードストラップ」(10月末発売、9,900円)、額ではなく(HMDで一般的な)顔の表面で支る「フェイスマウントキット」(年内発売、1万円前後)が追加される。
法人向けには保守サービスを新たに用意する。研究・産業分野でも活用できるようソフトウェアやアタッチメントも拡充。3Dハンドトラッキングデバイス「ハンドトラッカー」や、10mのUSB Type-Cケーブルもラインナップし販売する。
ユーザーの声を“爆速”で反映
2024年10月に発表したMeganeX superlight 8Kは、VRChatなどでの使用感にこだわった軽量・高精細なVRヘッドセット。外部に設置したセンサーでトラッキングするSteamVRトラッキングのヘッドセットとして数少ない選択肢となっているほか、欧米ではVRChatに加えてフライトシミュレーターなど個人のシミュレーター愛好家の間で人気を集め、売上比率で8割が欧米になるまで拡大したという。
MeganeX superlight 8KはVRChatを念頭に開発された製品だが、ユーザーの意見を積極的に取り入れ開発に反映してきたことも強み。欧米ではVRChat以外にも利用が広がったことから、Discordを開設してコミュニティの意見を募ったほか、欧米のユーザーやシミュレーター事情に精通する専門家にも意見を仰ぐなどした。USBケーブル接続部の脱落防止といった基本的な要望は世界共通だったとするものの、頭や顔にフィットさせる部分は、欧米ユーザーから特に改善の要望が多かったという。
前モデルから1年でバージョンアップ版を発表する形になったことは、アクティブなユーザーからレベルの高いフィードバックが多かったことも影響しているという。例えばVRの描画ソフトウェアの一部であるVRコンポジターはShiftall製だったが、高い開発力を持つユーザーによりSteamVRのネイティブコンポジターを使うバージョンがコミュニティ内で開発されたという。これはShiftallの公式ソフトウェアとして取り込まれ、(一長一短があるとして)どちらかを選択できるようにしている。
こうした活発な活動を受け、小規模な会社が持つフレキシビリティを最大限に生かした。「我々にできるのは爆速の改善しかない」(Shiftall 代表取締役CEOの岩佐琢磨氏)というのが、“マークII”誕生の背景。岩佐氏はまた、車のマイナーチェンジに例え「エンジンは変わっていないが、乗り味は大きく異なる」としていた。




















