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Looop、電力の安い「昼間」にEVを自動充電 再エネ活用
2025年10月1日 12:35
Looopは、Kaluza Japan(三菱商事とKaluzaの共同出資会社)との協業で、日本初となる「市場連動型電気料金プランに合わせたEVの自動制御実証」を開始した。電力小売サービス「Looopでんき」の市場連動型料金プラン「スマートタイムONE」のユーザーを対象としたもの。
実証では、Kaluza Japanのコネクテッド技術を活用し、「スマートタイムONE」を契約中でテスラ車を所有している72世帯が対象。実証用のアプリで登録した出発時刻等の条件に合わせて、市場価格が安い時間帯にテスラ車の充電を行なうよう自動制御する。
近年では再生エネルギーの普及により、晴れた昼間の時間帯の太陽光発電は、需要を供給が上回る場合があり、そうした場合には再生エネルギーの発電を一時的に止める「出力制御」が行なわれている。出力制御が行なわれる時間帯は電気の市場価格も低下するため、EV車両の充電を積極的に行なうことで出力制御を減らし、太陽光発電を有効に活用する。
発電状況によって需要と供給のバランスをとる取り組みは「ディマンド・リスポンス(Demand Response:DR)」と呼ばれ、電力消費量が多く、今後の普及も見込まれるEVは「動く蓄電池」としてDRでの活用が期待されているという。
また、「Looopでんきアプリ」内のプッシュ通知により、電気代が安いタイミングで充電を実施できるようなレコメンデーションも行なう。これらにより、電気代の削減効果や上げDR(電力需要創出)効果を検証する。Kaluza Japanのコネクテッド技術により、テスラ車に対し直接充電指示を送るため、ユーザー側は特別な機器の設置は不要。
「Looopでんき」の「スマートタイムONE」は、電力料金単価が電力市場価格に合わせて30分ごとに変動する市場連動型の料金プラン。発電量が多く電気代が安い時間帯を活用することで、系統負荷や設備増強等の社会的コストの負担も低減することを目指す。
通常の電気料金プランでは充電制御をしてもユーザーの電気代は直接下がらず、ポイント還元等の仕組みが別途必要になるが、市場連動型の電気料金プランでは直接電気代を下げられる点が特長になる。今後はLooopでんきの市場連動プランと連携したEV充電自動制御の商用化も検討する。
なお、今回の取り組みは環境省「令和7年度昼の再エネ余剰電力需要創出モデル実証(市場連動型電気料金プラン活用)委託業務」として実施されるもの。

