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みずほ、小学生がお金を「稼ぐ・増やす」を学べる金融アプリ
2025年4月24日 15:42
みずほポシェットは、親子で金融経済を学べるアプリ「PochettePlus(ポシェットプラス)」を提供開始した。“お金のおけいこアプリ”として、お金を「稼ぐ」「経営する」「増やす」を体験できる。利用料は無料で、一部機能は月額課金制。
アプリ開発には、金融教育に関心の高い湘南白百合学園小学校と山梨学院小学校の児童も参画。小学生が理解できるか、楽しめるか、続けられるかを重点とし、児童の生きた声を盛り込んで共同開発した。
お金を稼いで「経営」「運用」を学ぶ
アプリは3つの機能があり、お金を稼ぐ体験「お手伝い」、経営体験「経営ゲーム」、増やす体験「運用」で構成。アカウントは「親」と「子供」で分かれており、1つのスマホでアカウントを切り替えられ、それぞれ異なる画面が表示される。
お手伝い機能は、親が子供に「おしごと」と「金額」を設定し、お手伝いをすることでお小遣いを獲得できる。おしごとの内容は「おふろそうじ」「ゴミすて」などあらかじめ決められたものから選べるほか、自分で設定することも可能。
子供がおしごとを完了して報告ボタンを押すと、親のアカウントに通知。親が承認することで設定した金額がお小遣いとして、またゲーム内通過「ジュエル」も同時にもらうことができる。なお、親のアカウントでログインする際はパスワードを入力する必要があり、パスワードは子供に教えないよう促される。
経営ゲームでは、子供のアカウント内にある異世界ポシェットタウンを舞台にお店を経営。「野菜」「魚」「おもちゃ」「家電」など、まちで商品を仕入れ、自分で値付けして商品を売るというお店の経営体験ができる。
仕入れ商品はアプリ内の天候などによって値段が変わるため、お店の経営を体験をすることで社会の仕組みが学べる。商品を売る際は「開店」ボタンを押す必要があるが、子供がゲームにのめり込まないよう1日3回までしか押せない仕様とした。
経営ゲームを進めるには、お手伝いで獲得したゲーム内通貨「ジュエル」が必要な場面が発生する。お手伝いを追加するなどの対応が求められるため、必然的に親子の会話が発生する仕掛けとした。また、実際の企業も登場し、現実の社会に対する理解も進められる。
運用機能では、自分で稼いだお小遣いを大人と相談したうえで運用できる。「定期預金」としてお小遣いを預けられ、金利は預入日数によって変わり、「3日:2%」「7日:5%」「10日:8%」から選択可能。定期預金は一度預けると満期になるまで引き下ろせない。
プレミアムプランでは、株式投資や外貨を使った運用が可能。国際政治やビジネスに興味を持てるとともに、擬似的に運用の経験を積むことができる。プレミアムプランの利用料は月額1,080円。
社内コンペ第1弾として子供の金融教育
アプリを提供するみずほポシェットは、みずほイノベーション・フロンティアと、ゲーミフィケーション事業を展開するセガ エックスディーの合弁会社で、2024年3月に設立。今回のアプリは、みずほ社員発のアイデアを木原正裕グループCEO自らが選定する「みずほGCEO チャレンジ」の第1号事業化案件で、みずほポシェットとして初のサービス提供となる。
みずほの金融に関する知見と、セガXDのエンタテインメントのナレッジを掛け合わせ、大人の「子供に勉強してほしい」気持ちと、子供の「遊びたい」ニーズを両立させ、お金と道徳の関係、マクロ経済などを楽しく学べるとする。
アプリの開発背景として、昨今の国際情勢や激変する国際ビジネス環境、日本国内の物価高やお金にまつわる事件の発生など、子供を取り巻く社会環境が大きく変化していることを挙げている。
みずほGCEO チャレンジでポシェットプラスの企画を立ち上げた、みずほポシェット 代表取締役社長 小原綾子氏は、アプリの企画まではみずほ銀行でヤンゴン支店の立ち上げや外為営業部で営業・企画などに従事。アプリの企画立ち上げについて以下のように話した。
「GCEOチャレンジでこの企画を出したのは2年前ですが、それよりもっと前から子供の金融教育について考えていました。昨今のさまざまな情勢のなか、これから子供たちはどうやってお金と付き合っていけばいいのか、日常生活の中でどうやってお金と付き合えばいいのか疑問に思っているのではと考え、そういったことが自然にわかるようなアプリを企画しました。
お金との付き合いというのは、子供たちの普段の習い事、ピアノだったり水泳だったり、そういうものと同じではないかと思っています。毎日少しずつ学んでいくなかで知見を積み上げ、大人になってからそれが大きな力になっていくのではないか、そういう思いでアプリを開発しました」
また、ゲストとして俳優の中尾明慶さんも登壇、実際にアプリの経営ゲームを体験し「子供向けのアプリですが、大人も一生懸命考えないと商品が売れなくて面白いですね。自分も小学6年生になる子供がいますが、お金のことをどうやって教えていいかわからないので、このアプリを早急に取り入れたいと思います」とコメントした。