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3メガ銀行ら、分散型ID・デジタル証明書活用で本人確認を簡略化
2024年6月21日 12:11
三菱UFJフィナンシャル・グループ、三井住友フィナンシャルグループ、みずほフィナンシャルグループ、ふくおかフィナンシャルグループ、横浜銀行、静岡銀行は、三菱UFJ信託銀行が主催するDID/VC共創コンソーシアムに共同で本人確認分科会を設置し、分散型ID(DID)とデジタル証明書(VC)を活用した新しい本人確認の在り方の有効性と実現性の検証を開始した。本人確認手続きのワンスオンリーを実現し、社会コストの低減を目指す。
現在、様々な取引でKYCの重要性が増し、取引時の厳格な本人確認が求められている。しかし取引の都度、同様の本人確認手続きが必要となるため、個人情報が様々な事業者に提供されることへのプライバシーのリスクや、手続きに係る確認コストの増大が懸念されている。
また、法人対個人の取引に加え、個人対個人の取引が拡大。近年は、個人間取引を悪用したマネーロンダリング等の金融犯罪が増加傾向にあり、取引相手の信用性の判断がしづらいといった社会課題が顕在化している。
本人確認分科会では、金融機関が法律および監督官庁の示すガイドラインに基づいて実施した厳格な本人確認結果を、DID/VCの技術を用いて消費者に還元。消費者自身の意思で当該本人確認結果を管理・利用可能にすることで、「何度も同じ本人確認をする」手間を省きながら、「必要最小限な個人情報の提供で実施できる」プライバシー保護と「金融機関の本人確認結果」といった厳格さを両立した本人確認方法の実現性・有効性を検証する。
本人確認分科会では、金融機関が実施した本人確認結果をVC(本人確認済VC)として消費者自身に発行し、他の金融機関での口座開設やクレジットカードの発行といった特定取引を行なう際に、本人による本人確認済VCの提示を、犯罪収益移転防止法に則った本人確認手段として用いるためのスキームを検討する。
当該スキームが確立した場合、本人確認手続きを簡略化できるほか、将来的にスタートアップ事業者、メタバース事業者等の様々な事業者に対し金融機関が本人確認機能を提供できるようになり、デジタル空間(メタバース空間含む)において、安心・安全なPeer to Peerでの商取引が可能となるとしている。
6月より、本人確認分科会参加企業11社にて、犯罪収益移転防止法に則ったスキームの構築を検討する。また、ルール整備分科会に設置された本ユースケースを討議するWGに参加するIT企業の知見を活かし、本人確認済VCが世の中で幅広く利用可能な利便性の高いものとなるよう、システム仕様上の相互運用性の確保についても並行して討議する。
本人確認分科会の参加企業配下の通り。三菱UFJ信託銀行が幹事を務める。
- 三菱UFJ信託銀行
- 三菱UFJフィナンシャル・グループ
- 三井住友フィナンシャルグループ
- みずほフィナンシャルグループ
- ふくおかフィナンシャルグループ
- 横浜銀行
- 静岡銀行
- オリエントコーポレーション
- TOPPANエッジ
- NTTデータ
- Digital Platformer
- リーガルカウンセル
ルール整備分科会 本人確認WG参加企業は以下の通り。
- 伊藤忠テクノロジーソリューションズ
- 大日本印刷
- DataGateway Pte. Ltd
- TOPPANデジタル
- 日立製作所
- BIPROGY
- 富士通