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チューリング、自動運転EV開発でタクシー走行データ活用 S.RIDEと協業

自動運転車両の開発を行なうTuring(チューリング)は、自動運転領域においてタクシーアプリ「S.RIDE」との協業を開始。第1弾として、S.RIDEおよび大和自動車交通と共同で、自動運転AI開発のための学習用データ収集プロジェクトを実施した。

学習用データ収集プロジェクトでは、S.RIDEがタクシーの実走行車両のセンシングデータを自動運転技術開発に活用することを提案し、チューリングが開発したデータ収集キットを大和自動車交通が運行するタクシー車両に設置。1月から2月にかけて、実際の運行業務と並行しながら公道走行データを収集する実証を行なった。

今後は、取得したデータの内容や走行環境等の分析を行ない、完全自動運転の実現に向けた基盤モデル開発に活用する。

チューリングは、カメラから取得したデータをもとにステアリング、ブレーキ、アクセルなど、運転に必要なすべての判断を行なうE2E(End-to-End)の自動運転モデル開発を進めている。この開発には人間が運転する膨大な走行データの取得が不可欠となるが、これまでは自社単独によるデータ収集で累計1万時間分の走行データベースを構築してきた。

今後、より実用性・安全性の高い自動運転を実現するためには、データの量に加えて多様性も重要との考えからS.RIDEと協業。時間帯や気象条件、住宅街等の複雑な道路環境や地域特性を含む様々なデータの効率的な収集などにおいて中長期的な連携を深め、完全自動運転の実現を目指す。

S.RIDEは自動運転技術開発に向けた「モビリティデータサービス」を事業化

S.RIDEは、自動運転の技術開発を行なう事業者向けに、タクシーの実走行車両に設置したセンシング機器からデータを収集・提供する「モビリティデータサービス」を4月から事業化すると発表した。

S.RIDEでは、首都圏を中心としたタクシー事業者とのパートナーシップにより、公道を実走行しているタクシー車両にセンシング機器を搭載してデータを取得できることから、様々な走行環境における大規模かつ長時間の走行データを効率的に収集できる。

モビリティデータサービスでは、顧客の開発要件に合わせてセンシング機器を組み合わせるカスタムメイドでの設置を行ない、要件定義からデータの収集・検品・納品までワンストップで提供する。

自動運転社会の早期実現に向けた機能・事業開発に取り組むパートナー企業の募集を開始。同事業を通して、自動運転技術開発の進化への貢献、安全で持続可能な自動運転社会の実現に向けて取り組む。