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Stable Diffusionで完全自動運転EVをデザイン 実車化へ

完全自動運転車両の開発・販売に取り組むTuring(チューリング)は、画像生成AI「Stable Diffusion」を活用してデザインした「完全自動運転EV」のコンセプトカーを公開した。静的なイメージだけでなく、デジタルモデリング、CGレンダリングを実施し、フルカラー3Dプリントによるスケールモデル、走行アニメーションやARデータまでを製作した事例としては世界初としている。

デザインは、日南と共同で製作。両社でデザインの方向性を協議した上で、複数のキーワードを抽出。それをプロンプト(AIへの指示テキスト)に起こし、Stable Diffusionで大量の画像を生成した。

その後、生成された画像をカテゴライズし、さらにプロンプトの調整と画像生成を複数繰り返し、まずは二次元のデザインイメージを確定。そこからマニュアルでの微調整とデジタルモデリングやCGレンダリング等のプロセスを通じて三次元デザインデータを作成している。デザインにかかった時間は実質1カ月半という。

Turingでは、自社エンブレムのデザインでもStable Diffusionを活用。初の自社工場となる「Turing Kashiwa Nova Factory」のネーミングにはChatGPTを活用するなど、業務のあらゆるシーンにAIを活用する「AIネイティブ」な事業推進を謳っている。

Turingは、完全自動運転EVの量産を目指す日本のスタートアップ企業で、将棋AI「Ponanza」の開発者である山本一成氏がCEOを務める。2030年にハンドルの無い完全自動運転EVの発売を目指している。