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国産大規模言語モデル開発で完全自動運転実現へ Turing

完全自動運転車両の開発・販売を行なうTuring(チューリング)は、完全自動運転を実現するための国産LLM(Large Language Model、大規模言語モデル)開発に着手した。

LLMは、大量のテキストデータから学習し、人間のような自然な文章を生成したり、質問に答えたりすることができるAIモデル。

同社は、完全自動運転の実現には「人間と同等以上に世界を理解した自動運転AI」が必要になると考えており、LLMの本質は「言語を通じて極めて高いレベルでこの世界を認知・理解している」ことだという。そのため、自動運転AIに人間と同等以上にこの世界を理解させるためにはLLMのアプローチが有効であるという。

同社は、以下の3点に注力してLLM開発を行なう。

現実世界への適応力

自動運転AIが状況に応じた適切な判断と行動を行なえるよう、視覚情報や音声データなどの現実世界の情報を効果的に取り込み、理解する能力を持ったマルチモーダルAIの開発を目指す。

リアルタイム性と計算効率

運転中は瞬時の判断が求められるため、効率的に計算し、リアルタイムで適切な判断や行動を行なえるようにする必要がある。これには、モデルの圧縮や車載ハードウェアへの最適化などの技術が必要。

安全性と堅牢性

外部環境やシステムへの攻撃に対する堅牢性や、予期しない状況に適切に対応できる技術が必要。これには、敵対的攻撃に対する耐性を持つモデルの設計や、不確実性に対処するための推論技術が求められる。

チューリングは今後LLMの研究や技術開発を主体的に進め、自動運転のためのAI技術を継続的に発展させていく予定。