ニュース

watchOS 10公開。天気などアプリ一新や「スマートスタック」

アップルは19日、Apple Watch用の最新OS「watchOS 10」を提供開始した。アプリの新しい視覚言語とともに、必要な時に適切なウィジェットを表示する「スマートスタック」、新しい文字盤などが追加される。Apple Watch Series 4以降が対象で、iOS 17がインストールされたiPhone XS以降が必要となる。

スポーツにおいては、自転車への対応を強化。新たに、パワーメーター、スピードセンサー、ケイデンスセンサーを接続するためのBluetoothがサイクリスト向けに登場。新しい指標とワークアウト表示を活用できるようになるほか、サイクリングワークアウトがライブアクティビティとしてiPhoneに自動的に表示され、全画面表示できるようになる。

また、新しいコンパスウェイポイントとマップなどアウトドア対応を強化。マインドフルネスアプリには、心の状態を記録することで心の健康をサポートする新しいツールが加わり、「日光の下で過ごした時間」を測定できるようになる。

新しいデザイン言語の採用とともに操作も改善。天気、株価、ホーム、マップ、メッセージ、世界時計などのApple Watchアプリは、ディスプレイをより活用し、情報を一目で見やすくした。Apple WatchのアクティビティアプリとiPhoneのフィットネスアプリは、詳しい情報や共有機能の向上、再設計したトロフィーケースなどで日々の活動を簡単に記録できるようにした。

スマートスタックは、ユーザーの状況に応じてタイムリーな情報を表示。どの文字盤からでもDigital Crownを回すだけで表示できるウィジェットが含まれ、例えば、1日の始まりには天気アプリが天気予報を表示、旅行中にはスマートスタックでウォレットから搭乗券を表示する。カレンダーやリマインダーが入れ替わりで上部に移動して次のミーティングやタスクを案内する。ポッドキャストなど、実行中のアプリはすぐに使えるように上部に移動する。

スマートスタック

コントロールセンターはサイドボタンを使ってアクセスし、どのアプリを開いていてもすぐに呼び出し可能。Digital Crownをダブルクリックすると、最近使用したアプリに戻る。

watchOS 10では、新しい文字盤「スヌーピー」「パレット」「ソーラーアナログ」「Nikeグローブ」と、Apple Watch Ultra向けの「モジュラーUltra」を追加する。

スヌーピー

サイクリング対応では、パワーメーター、スピードセンサー、ケイデンスセンサーなどのBluetooth対応のサイクリングアクセサリに自動的に接続。サイクリングパワー(ワット)やケイデンス(RPM)などの新しい指標と、パワーゾーンなどのワークアウト表示が追加される。Bluetooth接続は、屋内と屋外のサイクリングワークアウトとGymKitに対応する。

コンパスとマップも強化。watchOS 10では、コンパスは2つのウェイポイントを自動的に生成。「最後のモバイル通信接続地点ウェイポイント」はモバイル通信が可能な最後の場所を推定し、メッセージの確認や電話の発信に役立てられる。例えば、万が一の場合に緊急電話をかけられるように、「緊急電話に発信できる最後の地点ウェイポイント」が、デバイスが通信事業者のネットワークに最後に接続されていたルート上の場所を推定する。

コンパスとマップ

ルートを準備する時には、高度計データを使用し、保存されたウェイポイントの3次元表示を提供。まず米国で、等高線、山の陰影、標高の詳細情報、関心のある地点などが含まれる新しい地形図がAppleマップで表示されるため、ユーザーは、登山道の距離、種類、難易度などの情報を含む場所カードで、近くの登山道や登山道の起点を検索できる。

また、環境光センサーを使って日光の下で過ごした時間を測定できるようになる。子どもは1日に80〜120分以上は屋外で過ごすことが推奨されており、日光の下で過ごす時間は、あらゆる年齢の人の体と心の健康にメリットをもたらすという。親はヘルスケア共有を使って子どもが日光の下で過ごしている時間の長さを把握できるようになる。

マインドフルネス

そのほか、超広帯域無線(UWB)により、Apple WatchとHomePodの連係を強化。オーディオ再生中のHomePodの4m以内にApple Watchユーザーが近づくと、Apple Watch は「再生中」を起動してメディアをコントロールできるようにする。

また、iPhoneとペアリングされていて接続範囲内にあるApple Watchでは、オフラインマップで、ターンバイターンのナビゲーション、到着予定時刻、マップの場所などに、Wi-Fiやモバイルデータ通信のない場合でもアクセスできるようになった。

FaceTimeビデオメッセージの再生がApple Watchから行なえるようになるほか、服薬アプリでは、指定した時間から30分経過しても服薬が記録されない場合にフォローアップのリマインダー受け取りが可能になるなど多くのアップデートが含まれる。