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H3ロケット、本日10時37分55秒に打上げ

H3ロケット試験機1号機

JAXAは、先進光学衛星「だいち3号」(ALOS-3)を搭載した「H3ロケット試験機1号機」を3月7日10時37分55秒に打上げる。打上げ時間帯は10時37分55秒~10時44分15秒。打上げ予備期間は3月8日~3月10日。

JAXAでは、打上げの模様をライブ中継を予定。9時40分頃から放送を開始し、打上げから衛星分離までを放送する予定。

H3ロケット試験機1号機は、2月17日の打上げを予定していたが、ロケットの自動カウントダウンシーケンス中に、1段機体システムが異常を検知し、固体ロケットブースタ(SRB-3)の着火信号を送出しなかったため、打上げが中止されていた。

打上げ中止時の様子

H3ロケット試験機1号機は、次世代の大型ロケット「H3ロケット」の試験機。現在運用中のH-IIAロケットの後継機として開発されているもので、毎年6機程度を安定して打ち上げることで産業基盤を維持するという運用を目指している。

そのためには、政府の衛星だけでなく打ち上げサービス市場から民間の商業衛星を受注することが不可欠で、利用者から使いやすいロケットとして注目されるような新しいロケットを作るため「柔軟性・高信頼性・低価格」を実現することを目標としている。

試験機1号機は、JAXAが開発した先進光学衛星「だいち3号」(ALOS-3)を搭載。これを所定の軌道へ投入することも目的の一つ。

だいち3号は、陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)の光学ミッションを引き継ぐ地球観測衛星。「だいち」は2006年に打ち上げ、2011年まで運用。地上を光学センサー(カメラ)で撮影できる技術を実証し、地図作成や資源調査、災害状況の把握などで活躍した。だいち3号はこれらの能力を引き継ぎつつ、大型化・高性能化したセンサーを搭載する。

だいち3号の観測画像は、日本や開発途上国の高精度な地理空間情報の整備・更新に貢献するほか、多様な観測機能による沿岸域や植生域の環境保全への利用・研究など、さまざまな分野での活用が期待されている。

写真提供:(C) 宇宙航空研究開発機構(JAXA)