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アマゾン、近所のお店が配達員になる新配送プログラム

Amazonは、新たな独自配送プログラム「Amazon Hubデリバリーパートナー」を19日から開始する。ラストマイルの新たな配送モデルで、地域の中小企業にAmazon商品の配達を委託する仕組み。

現在、雑貨店や写真館、レストラン、新聞配達点、居酒屋、美容室、花屋、アパレルショップ、コーヒーショップなど数百の企業がパートナーとして参加しているという。

Amazon Hubデリバリーパートナーは、その日の営業スケジュールにあわせて、空き時間などに配送を行なえる。Amazonは決められた日にパートナーの事務所や営業所、店舗などにまとめて商品を配達。その商品をパートナー企業のスタッフが空き時間を利用して配達する。パートナーは本業の“スキマ時間”を使って副収入を得られるという。

同プログラムでは、すべてのパートナーが最長2km圏内で配達する。配達方法は自由に選択できるが、通常は自転車や徒歩で配達しているという。また配達する商品は通常1日30~50個で、数時間ですべての配達を完了できるという。参加の条件としては、オフピーク時に配達時間を確保できることと、商品保管のための十分なスペースを用意していること。

同プログラムの募集エリアは、現時点では東京・千葉・埼玉・神奈川・大阪・京都・兵庫・愛知・福岡の9カ所。今後全国の中小企業に向けてエリア拡大を目指す。なお。同プログラムは、インド、スペイン、メキシコでも運用している。

地域を知る配達パートナー。中小企業を支援

Amazonロジスティクス 事業本部長 本部長のアヴァニシュ・ ナライン・シング氏は、アマゾンの中小企業を支援する取り組みの一環として、「Amazon Hubデリバリーパートナープログラム」を紹介。ヤマト、佐川、日本郵便などの運送会社と、独自のデリバリーサービスプロバイダー、Amazon Flexに加え、“地域を知る”Hubデリバリーパートナーを加えることで、ラストマイル配送を強化していく。

左から写真館フォトショップダイヤの鈴木さん、大阪の居酒屋・卸の濱田さん、アマゾン アヴァニシュ・ ナライン・シング氏、柴犬専門店「オオノ」の大野さん

2020年の9月から試験運用していたが、全国9都道府県に拡大し、本格展開する。発表会に参加しているパートナーからは「空き時間を有効活用でき、健康維持しながら副収入を得られる」「居酒屋がコロナ禍で厳しい時に副収入が助けになった。町内会活動にも役立ち、居酒屋への新規の来店も増やせる」「本業を優先してスケジュールが決められる」といった評価が聞かれた。

店舗から半径2kmと小さな配達エリアを受け持つため、地域に詳しく配達効率が高い点も特徴。報酬の支払いは週払いとなる。

なお、プログラムの対象は中小企業のオーナーで実際の店舗を持つ人のみ。店舗を持たない人は対象外となる。また、店舗での引き取り(ピックアップ)には対応せず、配達員が家に配達を行なう。