ニュース

自転車になれる日本初「二刀流バイク」 glafit

glafitは、同社のハイブリッドバイク「GFR-02」に取り付け、自転車としても走れるようになる「モビチェン(モビリティ・カテゴリー・チェンジャー)」を12月に発売する。価格は25,000円(税別)。GFR-02の本体価格は275,000円(税込)。

GFR-02のオプションとして販売され、取り付けることで、従来は原付として扱われていたGFR-02を自転車として利用可能になる。原付は自転車レーン等の走行はできないが、自転車モードにすることで完全に自転車としての扱いになり、自転車レーンや自転車が走行可能な歩道の走行も可能になる。一方通行の道路も原付は通れないが自転車は走行可能な場合も多く、自転車モードに切替えれば走行が可能になる。

GFR-02

モビチェンは、原付ナンバープレートに取り付けて、ナンバープレートを隠せるようにする仕組み。原付走行モード時は原付のナンバープレートが表示され、自転車走行モードではナンバープレートを手動で隠すことでモードを切替える。これまでペダル付きのバイクは、モーターを切ってペダルで走行する場合でも法的にはバイク扱いだったが、GFR-02は2021年の道交法改正により「車両区分を変化させることができるモビリティ」として認められた日本で初の車両。同社は「二刀流バイク」と呼んでいる。

仕組みとしては、ナンバープレートを隠すことで認可されたわけではなく、ナンバープレートを隠す仕組みとモーターの制御が連動している点がポイント。切替は手動で行なうが、走行中に切替ができない工夫がされている。切替は電源を切った状態でのみ行なえ、両手を使って行なう必要があるため、停車中にしか行なえない。これは、バイクが走行できない場所をバイクモードで走行中に、取り締まりを逃れるために走行しながら切替えるような不正利用を防ぐのが目的。

モビチェンが搭載されたGFR-02
モビチェンの仕組み
ナンバープレートを隠すことで自転車モードに切り替わる

原付モード時は、電動アシスト自転車のようにペダルで漕ぐ事も、ハンドルグリップ部分に装着されたスロットルでバイクのように自走することも可能。急な坂道などではどうしてもモーターのみで登れない場合もあるが、ペダルも併用して登ることが可能になる。

ハンドル右側にスロットルを装備

なお、自転車モード時は完全にモーターはオフになり、電動アシスト自転車のようなアシスト機能は搭載していない。同社では、「メインは原付」として運用されることを想定しており、自転車モードは短時間のみ、利便性を高めるために使うものとしている。アシスト機能は搭載しないものの、自転車モード時は一般的な自転車と変わらない軽さでペダルを漕げるという。また、自転車モード時でもヘルメットの装着は必須になる。

GFR-02は、最高時速30km、電動航続距離は34km。重量は19.4kgで、折畳みが可能。展開時の全長は1,280mmで、折りたたまない状態でも軽自動車の車幅よりも短いため、後席などに簡単に搭載できる。

折り畳み時は非常にコンパクト

本体サイズは展開時が1,280×1,040×535mm(全長×全高×全幅)、折り畳み時が750×600×500mm(同)。価格は275,000円。

新区分「特定小型原付」に向けた新車両も予定

同社は今後の展開として、2024年から施行される道交法の改正により加わる新車両区分「特定小型原動機付自転車(特定小型原付)」について言及。同区分は、原付よりもさらに小型の自走車両を定義するもので、電動キックボード等をイメージした車両区分。

運転免許は不要でヘルメットは努力義務。サイズは190×60cm(長さ×幅)で普通自転車サイズまでを想定。車道は時速20km、歩道を時速6km(電動車いすと同等)で走行が可能な車両となる。

歩道走行時には歩道走行モードへの切替が必要で、新たに「識別点滅灯火」という装備の装着を義務化。これにより歩道を走行できる車両であることが視覚的に分かるようにする。

同社は、特定小型原付の最適解として、今後、新たな製品を投入する予定。

特定小型原付
grafitブランドサポーターを務める俳優の三浦翔平さん。自らもGFR-02を所有して普段から利用しているという