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メルカリ、不正利用の影響で成長減速。補填金10億円

メルカリは28日、2022年度第3四半期決算を発表した。売上高は385億円、営業損益はマイナス29億円で、メルカリにおける不正利用などの影響で、GMV(総流通額)成長率が鈍化し、期初に掲げた目標値を下方修正している。

メルカリJPでは、2021年末から不正利用が増加し、GMVや費用に大きく影響した。主にクレジットカードの不正利用によるもので、対策のため多くのユーザーの利用制限を実施したことから、これがGMVを数%引き下げることとなったという。ユーザーへの金銭被害の補填などの補填金は10億円。メルペイにおいても、フィッシングの影響で補償金6億円を計上している。

対策として、EMV-3Dセキュアの導入や、決済時の追加認証(電話番号・Email)など強化。不正利用検知システムなども導入した。第4四半期も同程度の費用が発生する見込みだが、その後は減少を想定している。

メルカリJPの売上高は224億円、調整後営業利益は54億円で、調整後営業利益率は24%。不正利用の影響がなければ28%だった。不正利用によるGMV減少に加え、10月の緊急事態宣言解除後に在宅時間が減少したことが、出品鈍化や購入頻度の減少など、GMV成長率の鈍化要因となった。

今後もメルカリJPの方針に変更はなく、パーソナライゼーションやWeb強化などのプロダクト施策によりGMVを向上するほか、メルカリShopsとの連携などを強化していく。

BtoC事業としてスタートした「メルカリShops」は、開始後6カ月で20万店を突破。食品、ハンドメイド、アパレルなどが人気となっている。

メルペイは、メルカリ内・外の売上が共に順著に伸びており、売上高は63.9億円。うちメルカリ外が37.9億円となっている。与信分野を中心に収益基盤が確立。第4四半期も営業黒字を想定しており、メルペイとして初の通期、調整前営業黒字を見込んでいる。

メルカリUSは、新規ユーザー数が伸長し、MAU(月間アクティブユーザー数)は過去最高の566万人。ただし、インフレなどの影響でGMV成長率は-6%で、売上も-5%となった。前年は米国政府による現金給付の影響でGMV成長率が大きく成長しており、前提が高かったことも要因。また、配送料の値上げなどで購入頻度が減少したほか、米国で1月に施行された、同一プラットフォームにおける年間600ドル以上の売上に、新たに確定申告が課される税制変更があり、出品に際しての作業負担が増加したことも一因としている。

2022年度通期の業績予想は、売上高1,470億円、営業利益はマイナス45億円。