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LINE NFTスタート。日本円で買って送って「NFTを君のもの」に

LINEの暗号資産事業などを展開するLVCは、NFT総合マーケットプレイス「LINE NFT」を4月13日から開始する。ユーザー間取引の2次流通だけでなく、1次流通(購入)サービスを実施し、第1弾として吉本興業など計17コンテンツと連携した7ジャンル100種類以上のNFTの販売が決定した。

LINE Pay経由で、日本円でもNFT購入が可能。今後は、ソフトバンクやZホールディングスなどのグループ企業との協業を通じてさまざまなNFTを提供するほか、PayPayやヤフオク! との連携も予定している。

NFTは「代替できないトークン」。ブロックチェーン上で管理できるデジタル所有証明書として使われ、デジタル上の「モノ」に対して、複製や改ざんなく“所有”を示せるようにする。アートやスポーツカード、アイドルカードなどのコレクション型、ゲームアイテムやメタバース、ファントークンなど利用型などのNFTが発行されている。

LINE NFTは、購入したNFTを、LINEのアカウントから登録できるデジタルアセット管理ウォレット「LINE BITMAX Wallet」で保管できる。そのため、ユーザーは自分のNFTを、LINEの友だちと交換したり、送りあえる。9,000万人のユーザーを持つLINEからすぐにアクセスできる点が大きな特徴といえる。

購入画面
LINE NFTのサービス構成

LVCではベータサービスとしてNFTマーケットプレイス「NFTマーケットβ」を展開してきた。βではLINEの暗号資産「LINK」での購入だったが、LINE NFTは、LINE Payを活用した日本円決済に対応。また、βでは2次流通(ユーザー間取引)だったが、一次販売機能も追加され、多くの企業が独自のNFTを展開できるようにした。

LINEの強みを活かした機能強化も予定。「LINEで応募」など、LINEの他サービスとの連携を進め、購入特典やキャンペーン景品として、NFTを付与する機会を増やしていく。さらに、LINEのプロフィールへのNFT設定や、LINEスタンプでNFTを活用していく。

4月13日のサービス開始以降、計17コンテンツと連携し、エンターテインメントやスポーツ、ゲーム、アーティスト、アニメ、キャラクター、イベントの7ジャンルで100種類以上のNFTを順次販売していく。

代表的なラインナップとして、吉本の人気芸人ネタをNFT用として撮りおろした限定NFT動画「よしもとNFT劇場」や、歌手や俳優としても活躍するNissy(西島隆弘)の今後の活動と関連したNFT、LINEスタンプとして人気を誇るヨッシースタンプのNFTなどを展開予定。

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LINEからWeb 3.0。「NFTは君のもの」

LINE NFTは、LINEアプリから簡単に始められるという利便性や豊富なラインナップとともに、「わかりやすさ」を強調する。'21年にLINEで応募を使って、30万枚のNFT付与を行なったところ、84%は暗号資産を保有したことがなく、初めてのユーザーだったという。LVCの林 仁奎CEOは、このように多くの人に意識させずにNFTを届けられる点がLINE NFTの特徴と語る。コミュニケーションサービスのLINEで「クリエイターや仲間とつながる」サービスとして、「NFTは君のもの」とアピールした。

LVC 林EO

また、Web 2.0生まれのLINEの「Web 3.0」対応の取り組みとして、LINE NFTを位置づけ。「コンテンツを所有でき、所有の概念を拡張できる」と訴える。

なお、LINE NFTではプライベート型のブロックチェーンである「LINE Blockchain」上で実現している。パブリックチェーンとの相互運用については、「ロードマップは持っている。ただ、いまはNFTの普及をがんばりたい」(LVC林CEO)とする。

また、現在のNFTの盛り上がりは、「一部ユーザーに偏ったもの」(LVC ブロックチェーン事業部 上遠野 大輔事業部長)とし、体験までの複雑な経路や高額な手数料、ウォレットの設定など「ハードルの高さ」がユーザーを限定しており、また、NFTの「価値」も多くのユーザーに理解されていないとする。これらを解消するサービスとして「LINE NFT」を開発。日本円での決済や販売対応などで、ユーザーの裾野を広げていく。

LVC ブロックチェーン事業部 上遠野 事業部長

NFTの使い方としても、特典として「もらう」、スタンプなど「見せる」、ゲームやキャラ、音楽など「応援する」など身近な使いみちを提案。「日常のそばにあるNFT」として、LINE NFTを提供していく。

PayPayやヤフオク!と連携も

また、ソフトバンクやZホールディングスグループ企業との協業を通じ、さまざまなNFT体験を提供する。ソフトバンクとは、B.LEAGUE を中心とした動画配信サービス「バスケットLIVE」において動画NFTの取り扱いを予定している。

ソフトバンクのコンテンツ配信サービス「5G LAB」とも技術的な連携を進め、xR技術を活用した立体感・臨場感のあるNFTの検討を進める。PayPayとは、NFT購入時の決済手段として「PayPay」の導入を検討している。

「ヤフオク!」との連携も進め、NFTを「ヤフオク!」でかんたんに出品・落札できるように準備中。ZOZOとは、一部のファッションブランドとのNFT販売を予定し、ファッション領域におけるNFTの協業を進める。さらに、「LINE GAME」「LINE MUSIC」「GYAO!」などのエンターテインメントサービスでも、動画やライブ配信などのエンターテインメント領域におけるNFT事業の推進を図っていく。

利用者数なども目標は公表していないが、ベータ版は100万ウォレットが使われており、「最初のLINE NFTの目標は、日本国内で存在感の有るサービスになること」とした。