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シャープ、“構造色”を8K 3DCGで表現 タマムシ色など

シャープマーケティングジャパンは、タマムシの外郭など、見る角度や光の当たり方で色が変化する「構造色」を高精細8Kの3DCGで表現する手法を開発した。法政大学 情報科学部 ディジタルメディア学科 実世界指向メディア研究室 小池崇文教授の協力によるもの。

構造色とは、色素や顔料による発色ではなく、物体自体は固有の色を持たず、物体表面の微細な構造によって特定の波長範囲の光が反射されることによる発色現象。見る角度や光の当たり方によって色が変化し、タマムシの外殻やアワビの貝殻、シャボン玉などで見られるもの。

シャープはこれまで、美術品や工芸品、文化財などを8K解像度で3DCG化し、8Kディスプレイ上で鑑賞できる「8Kインタラクティブミュージアム」を開発。8Kによる表現力を文化・教育領域で応用し、茶碗や仏像などの鑑賞ソリューションを提案してきた。

今回は法政大学 小池教授と協力し、市販の「油滴天目茶碗」を用い、表面の微細構造による光の干渉を分析。光の当たり方で変化する色の再現方法について検証し、3DCGで構造色を表現する手法を開発した。これにより、構造色を含むコンテンツの開発が可能となり、8Kの表現力がさらに向上するという。

愛知県陶磁美術館(愛知県瀬戸市)で3月15日から展示される「8K文化財鑑賞ソリューション」では、本手法を活用して制作した重要文化財「油滴天目」(中国・南宋時代、九州国立博物館蔵)の8K・3DCGコンテンツを鑑賞可能。形状や重さ、手触りを再現した茶碗型コントローラにより、70型8Kディスプレイに表示された茶碗を操作して鑑賞できる。