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PETボトルを常温で原料に戻せる新たな分解法、リサイクル低コスト化へ

産業技術総合研究所(産総研)は、PETボトルなどのPET樹脂を常温・短時間で効率よく分解し、原料を回収する触媒技術を開発したと発表した。詳細は英国王立化学会発行のGreen Chemistry誌で発表される。

炭酸ジメチルを使用した新しいアルカリ分解法。PET樹脂を常温・短時間で効率よく分解し、PET樹脂の原料であるテレフタル酸ジメチルを90%以上の収率で得られるという。

現行の方法では、品質の確保の観点で行なわれるケミカルリサイクルにおいて、200℃以上の高温処理を行なっているため、これを大幅に低温化できる。特に、再びPETボトルを作る「ボトルtoボトル」リサイクルの低コスト化が期待できるとしている。

今後は、このリサイクル法の社会実装を目指し、触媒の改良や反応のスケールアップ、さまざまなPET含有製品への適用の可能性を検討していく。またPET樹脂以外のプラスチック材料をリサイクルするための触媒開発についても検討を進めていく。