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音楽機器の「ズーム」、商標権侵害でビデオ会議の「Zoom」代理店を提訴

音楽機器メーカーの「ズーム」は、ビデオ会議サービス「Zoom」を運営する米Zoom Video Communications(ZVC)の販売代理店NECネッツエスアイに対し、商標権侵害行為の差止等を求め東京地裁に訴えた。

ズーム(以下ズーム社)は、1983年創業の日本の音楽機器メーカーで「ZOOM」ブランドの楽器や電子機器をグローバルに展開。ズーム社の製品群にあわせてZoomの商標登録も行なっているが、米Zoomがビデオ会議サービス提供するにあたり、ズーム社の登録商標と極めて類似した標章を使用しているとする。

その結果、2019年10月頃よりズーム社のカスタマサポートの受付電話やメール対応窓口にビデオ会議サービスに関する問い合わせが殺到。また、2020年6月には、米Zoomの決算発表を契機に、社名誤認によってズーム社の株価が2日連続でストップ高を記録し、その後急落するなど、業務上の支障や投資家に損害を与える結果となっている。

ズーム社では、昨年来、米Zoomの日本法人に連絡を取り、解決方法を模索したが、同社からは誠意ある回答/対応が得られなかったという。現状を放置することは、ズーム社のブランドのユーザー、株主に対して間違ったメッセージを与えるとし提訴に踏み切った。

なお、米Zoom日本法人ではなく、NECネッツエスアイを被告とする理由は、NECネッツエスアイが日本の第1号代理店であること、また、Zoom日本法人が自らビデオ会議サービスを提供している事実が確認できず、事業内容も不分明のためとしている。

ズーム社は、提訴に当たっては損害賠償を請求していない。同社に金銭的損害がないことを示すものではなく、「登録商標が法的に保護されるべき知的財産であることの確認が訴訟の目的であり、和解金等での解決を排除する姿勢を示すもの」としている。