ニュース

東京ドームで共同ワクチン接種、巨人戦の練習も見学できる。文京・新宿・港区

東京都の文京区、新宿区、港区の3区は8月16日から、東京ドームの内野2階コンコースにおいて、新型コロナウイルス感染症ワクチンの接種事業を合同で実施する。ワクチンはファイザー製で、8月16日から11月18日までのうち34日間で、プロ野球の平日ナイター開催日の試合前(午前9時~午後2時)を中心に実施。時間帯によっては、試合前練習を見学できるという。

接種対象者は、文京区、新宿区、港区在住で、接種券を持っている人。予約は3区とも、8月10日から各区役所の専用サイト・コールセンターで受け付け、1日2千数百人を受け入れ。34日間で約3万5,000人が2回接種する想定。

複数の大規模自治体が、地域の医科大・大学付属病院、企業、法人などと協力し、合同接種を行なう事業は全国でも例がないという。

読売巨人軍がヤクルト球団と設立した「後楽園・神宮外苑における新型コロナウイルス地域対策協議会」の枠組みを活用し、自治体と民間が連携して街ぐるみで感染対策に取り組む。

読売巨人軍と読売新聞社、東京ドーム、三井不動産の4社が、東京ドームを無償提供し、会場の運営についても全面的に協力。ジャイアンツの本拠地である東京ドームを接種会場として提供することで、「ワクチンの接種率の向上に貢献し、地域の文化的公共財としての責任と役割を果たしていく」としている。

地域の医科大・大学付属病院、医療関連企業・法人などが協力するコンソーシアム形式で運営。接種会場のレイアウトの設計や予算管理・要員管理などは木下グループ傘下の医療法人社団「和光会」(川崎市)、接種に関わる医療業務の管理・監督は、医療社団法人「松英会」(東京都大田区)がそれぞれ担当。会場の運営は、東京医科歯科大学医学部附属病院(文京区)の医病新型コロナウイルス対策室の植木穣室長が総合監修し、日本医科大学付属病院(文京区)が会場の安全確保を統括する医師を派遣し、救急時に備えてドクターカーを用意する。

医師や看護師は、3区内にある七つの医科大・大学付属病院から派遣。ワクチンを接種する「打ち手」は、東京都看護協会を通じて採用した「潜在看護師」(現在は医療現場に従事していない看護師)と、日本救急救命士協会から派遣される救急救命士が担当する。また、東京消防庁の救急救命士も派遣してもらう方向で調整中。

ワクチンの希釈・充填・管理は、「クオール薬局」などを展開するクオールから派遣される薬剤師が担当する。

また、エンターテインメント空間である東京ドームならではの取り組みとして、ジ
ャイアンツのマスコット「ジャビット」や公式マスコットガール「ヴィーナス」、子ども向け野球教室「ジャイアンツアカデミー」のコーチも場内の案内役を務め、オーロラビジョンでは、ジャイアンツ戦の名場面集を放映する。

球団スポンサーなどによるプレゼントも用意。1回目の接種時は、「DAZN」2カ月無料視聴カードと不織布マスクを希望者全員に、キリンビバレッジの飲料を先着3万名にそれぞれプレゼントする。2回目の接種時は、球団スポンサーなどが提供するプレゼントの抽選会を実施する。