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LIXIL、水道が無くても手洗いできる「SATO Tap」

LIXILは、上下水道が整備されていない地域でも利用が可能な、開発途上国向け手洗いソリューション「SATO Tap」を発表した。水を入れたペットボトルを取り付けることで、水道が無い家庭でも手洗いができるようにする。

プラスチック製の本体とノズルで構成され、水を入れたペットボトルを逆さまに取り付けて使用する。一般的な形状のペットボトルに対応しており、開発途上国で利用されている既存のソリューションを分析した上で生まれたデザインだという。

小型のため、各家庭の屋内利用だけでなく、公共の手洗い施設にも設置可能。できるだけ手で触れずに操作できる設計で、感染リスクも軽減する。

手を洗うのに十分な水量を確保しながら、一度に出る水量を極力抑えることで、水を詰め替える頻度を減らし、水が貴重な地域でも無駄なく利用できる。

開発途上国では、新型コロナウイルス予防のため手洗いが必要でも、上下水道設備が無いことから手洗い自体が難しく、世界の5人に2人が、手洗いをするための基本的な設備が家で利用できないという。LIXILは、長期的な視点で手洗いの普及を目指して支援をし、SATO Tapの提供開始にあたり、総額約1億円を拠出する。

まずは、インドで生産を開始し、9月からパートナー向けに先行して提供。2021年初旬までに生産数をさらに拡大し、一般向けの販売を開始する予定。アジア以外にも提供を拡大するため、アフリカなどでもライセンス生産を行なう企業と協業していく。

「SATO」は世界の衛生課題の解決に貢献するためのソーシャルビジネスブランド。同ブランドではこれまで、低価格の開発途上向け簡易トイレシステムなどを開発している。