ニュース

DNP、海外向け翻訳マンガサブスク。海賊版防止図る

大日本印刷(DNP)とファンタジスタは共同で、日本の出版社等のマンガを英語に翻訳して、月額6.99米ドルのサブスクリプションでサービスを提供する「Manga Planet(マンガプラネット)」を11月18日より開始する。

Webサイトやアプリでマンガを楽しむ読者が国内外で増加し、特に海外では日本マンガへの人気が高く、その海賊版の流出が問題となっていることから、オフィシャルなコンテンツを適正な環境で配信する仕組みの構築が課題となっている。

DNPは2012年に海外マンガファンへのマーケティングの実証実験としてManga PlanetのFacebookを立ち上げ、グローバル版84.3万人、インド版9.8万人のフォロワーを獲得。今回、両社はこのフォロワーを中心に、日本マンガへの興味・関心が高い海外のファンに向けて、定額読み放題サービスを提供し、さまざまな出版社等のマンガ作品を世界に配信することで、海賊版の流出防止を図る。

Manga Planetでは、月額6.99米ドルで毎日新しいマンガを配信。有料会員の閲覧数に応じて、出版社に収益の一部を分配するとしている。海外市場への進出を考える日本の出版社や作家と海外配信のライセンス契約を結び、マンガを英語にて配信し、今後は多言語でも提供するという。

配信タイトルは祥伝社、ホーム社、リイド社、三栄、ぶんか社、海王社、ワニブックス、徳間書店、スターツ出版、ハーパーコリンズ・ジャパン、MUGENUP、外薗昌也氏(漫画家)等の出版社やクリエイターの作品を予定。今後もコンテンツの充実を図る。

またManga Planetには、翻訳から校正、印刷データの生成まで一貫して行なえる、DNPの独自のシステム「DNPマンガオンラインエディトリアルシステム MOES(モエス)」を活用。高品質な翻訳と納期短縮を実現するという。MOESは厳重な情報セキュリティ基準を適用したサーバーで運用しているため、オリジナルデータの流出や海賊版の増加といったリスクを軽減するとしている。

両社は、2022年までに15万人の有料会員獲得、3,000作品の配信タイトルコンテンツ数、関連事業を含めて12億円の売上を目指す。DNPは、Manga Planetで人気が出たマンガの冊子版の製造・販売、コンテンツを活用したVR・ARのソリューション開発など、海外の日本マンガファンに楽しんでもらえる機会を提供するとしている。