2001年12月
『スナッチ』

『ターミネーター』

『グリンチ』

2001年11月
『キャスト・アウェイ』

『スター・ウォーズ エピソードI ファントム・メナス』

『ショコラ』

『ゴッドファーザー』

スタンド・バイ・ミー』
2001年10月
『明日に向かって撃て!』

『羊たちの沈黙』

『バトル・ロワイアル』

アンブレイカブル』
2001年9月
『アラビアのロレンス』

『初恋のきた道』

『ペイ・フォワード』

クリムゾン・リバー』
2001年8月
『コヨーテ・アグリー』

『リトル・ダンサー 』

『ザ・セル 特別プレミアム版』

『火垂るの墓 -ほたるのはか-』

『17歳のカルテ コレクターズ・エディション』

2001年7月
『ダイナソー』

『宮廷料理人ヴァテール』

『グリーン・デスティニー』

『ダンサー・イン・ザ・ダーク』


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原題:『SNATCH』
Cast&Staff:
監督・脚本:ガイ・リッチー
製作:マシュー・ボーン
撮影: ティム・モーリス=ジョーンズ
音楽:ジョン・マーフィー
出演:ベネチオ・デル・トロ/ブラッド・ピット/ビニー・ジョーンズ/デニス・ファリーナ

発売メーカー名:
(株)ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
定価:3,980円(税別)

■何度観ても新鮮。リッチー流クライム・エンターテインメント


 『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』の大ヒットを機に、英国若手監督NO.1の名を欲しいままにしているガイ・リッチー。ファン待望の2作目となる『スナッチ』は、前作同様スタイリッシュな映像と、テンポの良いストーリー展開が魅力のブリティッシュ・クライム・エンターテインメント作品である。随所に辛口のユーモアと社会風刺が効いた本作は、英国というお国柄を反映したリッチー・テイストに溢れる作品なのだ。
ベルギーの宝石商から86カラットの大粒ダイヤが盗まれた。一味の一人であるフランキーはNYのマフィアの元にダイヤを運ぶことになっていたが、途中で立ち寄った賭けボクシング場でノミ屋に襲われてしまい事態は思わぬ方向へ。ダイヤを追うマフィア、殺し屋、賭けボクシングのプロモーター、流浪民、そして犬までが入り乱れ、一攫千金を駆けた騙し合いが展開する。

 物語はとてつもなく込み入っていて、登場人物もやたらに多い。それでも観客は知らぬ間に映画の世界に引き込まれ、ほんの一時も飽きさせられることなくエンディングを見届けることになる。これは演出の力、つまりリッチーの手腕がいかに優れているかという証明に他ならない。細部にわたって丹念に作りこまれた物語設定、悪人なのに「こんな人どこかにいそう」と思わせる登場人物たちの親しみやすさは、監督の映画作りの姿勢をはっきりと映し出し、ファンの期待を裏切っていない。リッチー作品が何度観ても新鮮な驚きを与えてくれるのは、丁寧な映画作りが生んだきめの細かい娯楽要素に満ちているからに違いない。

 実はお恥ずかしい話だが、『スナッチ』を観るまでは、前作『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』にあまり関心が湧かなかった。ところが、本作を観るやすぐに、レンタル・ビデオ屋に走らされてしまった。ガイ・リッチーこそ新作を早く観たいと思わせる、そして名前で人が呼べる数少ない監督の一人なのではないだろうか。

■スターを魅了する監督、ガイ・リッチーの魅力



 世界を熱狂させたデビュー作の成功により、リッチーは一躍時代の寵児となった。だが、映画界ではスターの彼も、エンタメ界のスパースター、マドンナと結婚したことにより、妻と絡んだ話題ばかりが伝えられている。最近では“マドンナの夫”というイメージばかりが先行して、本人の人柄や魅力があまり伝わってこないのが、ファンとしては少々残念である。

 話題の2作がいずれも犯罪ものを扱ったキワモノなので、タランティーノのようなハイパー・ハイテンション・キャラなのかと思いきや、DVD特典の音声解説やメイキング映像から感じられる人柄は、穏やかな紳士といったところだ。自作を客観的に観察し、真摯な姿勢で捉えている様子には知性が感じられ、売れっ子の驕りなど微塵も感じさせない。下世話なセリフも下品にならない。残酷非道なシーンにもスタイルがある。そんなリッチー作品には、監督自身の知性がしっかり反映されていたのである。人柄だけでなく、前述の通り彼の才能は比類がない。それを証明するエピソードには事欠かない。『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』で監督の才能に惚れ込んだブラッド・ピットが自らラブ・コールを送り続け、破格のギャラで念願のリッチー作品出演を手にしたというエピソードはあまりにも有名だ。しばしば俳優たちはギャラの額に関係なく作品への参加を熱望する。それは監督の才能がスターたちを魅了している場合に多く起こる。ソダーバーグ監督の最新作『オーシャンズ11』で、ハリウッドきっての高額ギャラを受け取るスターたちが夢の共演を実現させたのは、この最たる実例である。予算が多ければ作品の質が高くなり易いことも事実だが、監督に才能があれば予算の高低に関わらないというのも、また事実なのである。

 ところで、音声解説の最後にはガイ・リッチーから映画制作についての爆笑アドバイスが寄せられている。映画制作を目指す人もそうでない人も、楽しみにお聞きいただきたい。



■Disc1:片面1層
 Disc2:片面1層
■画面サイズ:ビスタサイズ(16:9)
■収録時間:約103分
■音声仕様:
1,英語 5.1chサラウンド
2,英語 ドルビーサラウンド
3,日本語 5.1chサラウンド

 


■音声解説(監督&プロデューサー)
■ミッキーのセリフに字幕
■“ダイヤを盗め”(3つの未公開シーンへスキップ)
■オリジナル劇場予告編
■TVスポット集
■メイキング・ドキュメンタリー
■ストーリー・ボード
■未公開シーン集
■フィルモグラフィ
■おまけ映像(撮影風景)



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