2001年12月
『スナッチ』

『ターミネーター』

『グリンチ』

2001年11月
『キャスト・アウェイ』

『スター・ウォーズ エピソードI ファントム・メナス』

『ショコラ』

『ゴッドファーザー』

スタンド・バイ・ミー』
2001年10月
『明日に向かって撃て!』

『羊たちの沈黙』

『バトル・ロワイアル』

アンブレイカブル』
2001年9月
『アラビアのロレンス』

『初恋のきた道』

『ペイ・フォワード』

クリムゾン・リバー』
2001年8月
『コヨーテ・アグリー』

『リトル・ダンサー 』

『ザ・セル 特別プレミアム版』

『火垂るの墓 -ほたるのはか-』

『17歳のカルテ コレクターズ・エディション』

2001年7月
『ダイナソー』

『宮廷料理人ヴァテール』

『グリーン・デスティニー』

『ダンサー・イン・ザ・ダーク』


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原題:『LES RIVIERES POURPRES』
Cast&Staff:
監督・共同脚本:マチュー・カソヴィッツ
原作・共同脚本:ジャン=クリストフ・グランジェ
製作:アラン・ゴールドマン
出演:ジャン・レノ/ヴァンサン・カッセル/ナディア・ファレ ほか

発売メーカー名:
パイオニアLDC株式会社 定価:3,800円(税別)
■CG合成の過程がわかるマルチアングル映像やメイキングなど充実の特典

 しっとりとした恋愛劇、ジーンとさせる人間ドラマなど小ぶりの秀作が目立っていたここ最近のフランス映画界。そんな中で昨年颯爽と登場した『クリムゾン・リバー 深紅の衝撃』は、公開当時本国フランスで3週間1位をキープするという大ヒットを記録した。20億円の製作費を投じて作られたハリウッド級のスーパー・アクション・スリラーとして、今年正月の日本公開時もかなり話題になっっていた。原作はフランス本国の同名ベストセラー小説である。

 この映画はフランスものにしては珍しくスケールも予算も大きいアクション作品であり、出演者がフランス語を喋っていなければ、ハリウッド作品かと思うほどアメリカ的である。ストーリーがやや大味な部分まで似てしまっているという徹底ぶりだ。恐ろしい秘密、封印された真実などが明かされるラストはかなり突飛なため、確かにある意味ではびっくりさせられる作品だが、公開当時はそんな“衝撃のエンディング”が本作の大きなウリのひとつだった。DVDのウリは当然ながら特典映像。デラックス版というだけあってメイキング映像の充実度はもちろんのこと、全絵コンテまで収録されているサービスぶり。さらには絵コンテ、実写映像、合成要素、完成画面を使って、CG合成の過程がわかるように構成されたマルチアングル映像なども収録されていて映画ファン納得のコンテンツだ。

 ところで、監督のマチュー・カソヴィッツだが、彼はフランス映画界きっての俊英である。アクション・シーンのメイキング映像では、少々興奮気味に撮影秘話を語る彼の姿が拝めるのだが、それはもう色男。マスクの甘さを生かし、俳優としても活躍していて、この秋日本公開予定のジャン=ピエール・ジュネ監督最新作『アメリ』では、ヒロインが恋に落ちるとろけるような笑顔の青年を演じている。天に二物を与えられた監督の力作、とくとご覧いただきたい。

■恐怖心を煽るグロテスクな出演者たち。その正体は!?

 アルプス山麓に位置する大学の街、ゲルノンで連続猟奇殺人が発生。捜査のために訪れたパリのベテラン警視ニーマンスと別の街で起きた墓荒らしを追っていた地元の警部補マックスは、二つの事件に共通する何かを感じ取る。そしてそれぞれの事件が一つに結びついた時、二人は田舎町に隠された恐ろしい秘密へと導かれてゆくのだった。

 この作品の中で、レノ、カッセルら主役級の俳優たちと同じくらい印象的な“出演者”といえば、グロテスクな死体たちだ。本作を観る観客が最初に目にするものなのだから、その手の映像が苦手な人にはたまったものではないが、監督は死体をリアルに作り込むことにかけては相当こだわりを持っていたらしい。少々悪趣味な話ではあるものの、観客の恐怖心をどれだけ煽ることができるかが映画成功の鍵だったのだからそれも仕方のないこと。現に筆者が一番怖かったのは、カッセル演じるマックスが引き起こす狂気じみた乱闘シーンでもなく、額から血をながしている真顔のレノでもなく、グロテスクな出演者たちの見事な“静の演技”だった。そんな“出演者たち”が誕生するまでを解説したメイキング映像のタイトルが「死体の誕生」。怖いもの見たさもあって覗いてみると、そこでわかったことがひとつ。例の出演者たちは、実は模型だということだ。

 “実は”というのは、彼らがあまりにリアルなので、俳優に特殊メイクを施し、画像処理をしているんだろうと思う人もきっと多いはずだからだ。まあ、模型と知ったところで、目を覆いたくなることに変わりは無い。それもこれも、各スタッフが監督から要求された高クオリティーを追求し、時間をかけて丁寧に模型を作り上げた功績というわけだ。質感を重視してシリコンでボディを作り、人毛を1本1本丹念にボディに植え込んだり、5時間かけて特殊メイクを施したりして、彼ら曰く「死体に生命を吹き込んだ」(!)のだそうだ。努力の甲斐あってスタッフたちも自作の人間の複製にご満悦の様子。俳優業引退後も廃棄されることなく大切に保管されているらしい。

 ところで、このコーナーにはグロな方々を撮影したスナップ写真が何枚も登場するのだが、もしスタッフたちがこれを大事に自宅にしまってあるとしたら、何も知らぬ家族や恋人が偶然にも写真を見つけてしまった時、犯罪者と勘違いされやしないかと心配してしまう。さらには、死体模型を前にスタッフ一同誇らしげに微笑んでいるスナップ写真を見せられてしまうと少々複雑な気分だ。嬉しい気持ちもわかるのだが、物が物だけに「にせもの」と知っていても、見せられる方としては、つい、不気味な心地になってしまうのだから。



■片面2層
■画面サイズ:スコープ・サイズ(16:9)
■収録時間:本篇106分
■音声仕様:
  1,フランス語 5.1chサラウンド
  2,日本語 2chサラウンド
  3,フランス語 5.1chサラウンドDTS

 
映像特典65分
■メイキング
■オリジナル&日本版予告篇
■キャスト&スタッフ紹介(静止画)
■ポスター各種(静止画)
■全絵コンテ(静止画)
■撮影スナップ(静止画)
■解説/データ(静止画)


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