いつモノコト

普段使いできるデザインに一目惚れ。Fossilのスマートウォッチ

THE CARLYLE HR

もはやスマートウォッチの代名詞と言えるほど普及した感のあるApple Watchに対して、いまいち陰の薄いのがAndroid向けのスマートウォッチOS「Wear OS」。Androidをメインスマートフォンとして使い続けている筆者にとって、LTE対応、Suica対応などの機能を次々に搭載しながらもiOSでしか使えないApple Watchはうらやましくもあり憧れの存在でもあります。

少ないながらもWear OSならではのメリットを考えると、「Apple Watchではない」ということ。

ちょっと負け惜しみの発言に聞こえるかもしれませんが、Apple Watch自体のデザインそのものはスタイリッシュでおしゃれではあるものの、四角いディスプレイは時計というより「ガジェット」感が強めです。また、普及しているがゆえにApple Watchを使っている人も多く、結果として他の人とかぶってしまうということも。

その点でWear OSのデザインは多種多彩。四角いディスプレイはもちろん時計のような丸いデザインのものも多く、選択の幅が広いのがWear OSの隠れた魅力です。

個人的にもスマートウォッチはスペックだけでなく「普段のファッションに合う」デザインを重視しているのですが、そんな筆者が一目惚れして購入したスマートウォッチがFossilの「THE CARLYLE HR」でした。

最新のスペックと普段使いできるデザインが魅力

「普段のファッションに合う」という点で、以前はG-SHOCKのようなデザインが決め手でカシオの「PRO TREK Smart」初代モデル「WSD-F10」を愛用していました。

以前愛用していたPRO TREK Smart。スポーツ感が強くフォーマルな場には若干そぐわない

ぱっと見は普通の時計に見えるところが気に入ってはいたものの、スポーツ感が強いデザインのためフォーマルなシーンではやや浮いてしまうことに加え、初代モデルのスペックが古くなり動作がもっさりしてきたタイミングで出会ったのが、THE CARLYLE HRのスモークステンレススチールモデルです。

「THE CARLYLE HR」スモークステンレススチールモデル

盤面がディスプレイのためガジェット感が完全に拭えるわけではないものの、ディスプレイ周りやバンド部分は一般的な腕時計のようなデザインで、フォーマルな服装でも違和感がありません。

バンド部分は市販の腕時計用替えバンドとの互換性も持っているため、好きなバンドに取り替えられます。最新モデルというスペックの高さはもちろんのこと、スマートウォッチらしくない高級感のあるデザインに一目惚れしたというのが一番の理由です。

スモークステンレススチールモデルは腕時計と同じバンド
盤面だけはディスプレイなのでガジェット感が残る
盤面をアナログ風に
時計らしからぬ思い切ったデザインも

ガジェットらしくない外観、という点では、アナログの文字盤を搭載したハイブリッドスマートウォッチというジャンルもあったのですが、こうしたハイブリッドモデルは見た目に加えてバッテリーが長く持つというメリットはある一方、スマートウォッチの機能としてはかなり制限されてしまいます。見た目にもこだわりつつ、ガジェットは最新の機能を搭載していて欲しい、という筆者にとって、THE CARLYLE HRは非常にバランスのいいスマートウォッチでした。

アプリの通知連携で業務を効率化。在宅ワークにも便利

普段使いする腕時計をスマートウォッチに切り替えてから5年以上が経ちますが、スマートウォッチで最も愛用している機能はなんと言ってもアプリの通知連携です。

自転車での移動中や展示会のスタッフ中など、スマートフォンをすぐに取り出せないようなシーンでも、スマートウォッチを見るだけで内容を把握できるのが非常に便利。Wear OSの場合、メールやSNSメッセージの通知だけでなく内容も表示できるので、「通知は来たけれど自分には関係ないな」という切り分けも、スマートウォッチをちらっと見るだけで簡単にできます。

時計を見るだけでSNSのメッセージやメールの中身が確認できる

ここ最近は在宅で仕事している人も多いと思いますが、スマートウォッチは在宅勤務にも便利でした。在宅作業の場合、仕事にずっと集中しているのが難しく、掃除や洗濯、料理といった家事と平行しながら仕事をしている人も多いでしょう。そんな時もスマートウォッチを装着していれば、提出した書類の連絡が来るまで家事をしておき、スマートウォッチで連絡を確認したら作業に戻る、といった、家事と仕事の切り替えが効率よく行なえます。

オフィスなど複数人が同じ場所で仕事している時は、直接話しかけにいくというやりとりが可能ですが、在宅ワークではメールやチャットでの連絡が中心になるため、チャットを見逃していて問い合わせへの返信が遅れてしまった、ということも少なくありません。そんなときもスマートウォッチなら、腕をさっと見るだけで同僚や仕事の連絡も簡単に確認できます。

簡易的なToDo管理としてもスマートウォッチは便利です。Wear OSをAndroidで使う場合、スマートフォンの通知エリアに表示される内容はスマートウォッチと同期されており、Wear OS側で通知を消すとスマートフォンの通知も消えるようになっています。そのため、「この通知はあとで返事しなければ」というものだけ通知を残し、不要な通知はその場で消していくことで、作業場所から離れていても手軽にToDoを管理できるようになりました。

PCから離れているときはスマートウォッチの通知をToDo代わりに活用

最新モデルは動作もサクサクで音声操作も対応。Suica対応は待ち

Fossilのスマートウォッチ第5世代にあたるTHE CARLYLE HRはスペックも高く、プロセッサはハイエンドなSnapdragon Wear 3100を搭載。さらにスピーカーとマイクを搭載しており、腕時計だけで通話可能です。ただし、残念なことに対応しているのは携帯電話回線の音声通話のみで、Facebookなどの通話アプリは対象外です。

メモリも8GBと大容量で、1つ前に使っていたWSD-F10と比べると動作はサクサク。ただし、WSD-F10は2日近く使えていたのに対し、THE CARLYLE HRは腕を傾けた時だけ画面を表示するモードでも1日でバッテリーが空になってしまうようになりました。とはいえ最近はスマートウォッチ生活にも慣れ、こまめに充電しているので、さほど不便ではありません。

地味に愛用しているのがタイマーやアラームで、カップラーメンを作るとき、在宅業務中にちょっと仮眠したいときに時計からさっとタイマーやアラームを設定できます。通知はアラーム音とバイブレーションを選べるので、家族と一緒に寝ていて自分だけ起きたい、というときも、アラーム音を鳴らさず自分だけ起きられるのが便利です。

タッチでさくっと設定できるタイマー

Googleアシスタントも搭載しているので、アラームやタイマーは音声で設定することも可能。待ち受け画面で「OK Google 30分でアラーム」と発声すれば、一切手を使う必要なくアラームを設定できます。

WSD-F10では、音声がうまく認識されないこともありましたが、THE CARLYLE HRは周りが騒がしくなければ、かなりの高精度で認識してくれます。ただし、室内だと場所によっては自宅のGoogle Homeが反応してしまうため、外出時など付近にGoogle Homeがない場所で使うようにしています。

また、THE CARLYLE HRはNFC機能を搭載しています。購入時にはFeliCaを使った非接触でのGoogle Payにも「対応予定」となっていたはずなのですが、製品サイトを見るとその表記が見当たらなくなってしまいました。

しかしGarminのスマートウォッチは先日Suicaへ対応しており、まもなくTHE CARLYLE HRもFeliCaが使える日が来るだろう、と楽しみにしています。

Google Payは日本では非対応

甲斐祐樹

Impress Watch記者から現在はフリーライターに。Watch時代にネットワーク関連を担当していたこともあり、動画配信サービスやスマートスピーカーなどが興味分野。ライター以外にも家電ベンチャー「Shiftall」スタッフとして活動中。個人ブログは「カイ士伝