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AIが若手の採用を減らし、ボトルネックは「人間の注意」に アンソロピックで起きた変化
2026年10月20日 08:00
Anthropicは16日(米国時間)、AIが雇用に与える影響についてのレポートを発表した。公開された2本のレポートでは、AnthropicにおけるAI活用の変化とともに採用や雇用の現場の変化について説明している。ジュニアレベルのエンジニアが減少し、働き方も大きく変わった一方で、AIを駆使する人々の中でも「失業」への懸念は高いとする。
AnthropicはAI導入の最前線(フロンティア)企業であり、AIによって採用のあり方も変化したという。過去1年間で、従業員における技術職のジュニア/エントリーレベル(初級)の採用割合が急速に減少し、技術職の新規採用に占める割合は27%から9%まで低下した。特に25年12月以降は、ジュニア職の求人が急減している。また、技術部門の従業員の割合も低下している。
一方で、AIエージェントの稼働時間は急増しており、2026年3月までに、エージェントの稼働時間が従業員を上回った。8月までに、Anthropicにおけるエージェントの稼働時間は従業員の6倍に達し、生産性も向上した。
結果として、Anthropicでは1人あたりのコード生成量が増加した。他の分野においても、営業担当者1人あたりの成約数が増加し、処理される契約数も増えており、AIツールの導入率が高まるにつれて従業員の成果物も増加することがわかっている。
こうした「加速」の結果、現在の同社の最大のボトルネックは「人間の注意(アテンション)になりつつある」という。エンジニア以外の従業員でも、担当するClaudeエージェントのすべての出力を読むだけで週の労働時間の半分に相当し、これに対応するための可視化ツールの構築や、エージェントのパイプラインの監視といった「メタワーク」に注力している。
従業員が仕事を「Claudeのチームを管理すること」と捉えるようになった。そのため役割も広がり、製品開発、エージェントの管理、LLMの範疇を超えた戦略的・対人関係の業務などに取り組むことも必要となった。
こうした環境から、従業員の採用における、優先順位も変化。技術的な専門知識や実装能力よりも、自律性や判断力が重視されるようになったという。
Anthropicは、AI導入における極端な事例ではあるが、「AIの普及が労働者の職を奪うリスクを孕んでいることが示唆される」としている。Anthropicでは、AIによる変革に直面している職務を継続的に監視する「早期警戒システム」を構築しているほか、早期の配置転換なども行なっているが、こうした対策はジュニアの採用減に直接対応できるものはないとしており、再教育や所得支援に関する政府の政策もあわせて必要としている。
また、8月には米国の代表的な成人のサンプルと、Anthropicの社員を比較した調査も実施。Anthropicの社員のほうが、よりAIの進歩が急速に起こると認識しており、米国の成人の39%が2030年までにAIがノーベル賞級の発見をすると考えているが、Anthropic社員は91%がそう考えているという。
また、自身の仕事については、Anthropicの社員の半数以上が、2030年までに現在の業務の少なくとも80%をAIが実行すると予想している。一方で、米国の労働者では5%にとどまっている。
ただし、米国の労働者とAnthropicの社員の双方において、「失業率の上昇」を懸念。将来のAIの能力に関する見解には大きな違いがあるが、AIが自身の仕事を変えることと、失業との関連性についての認識は両グループで非常に近く、「AIによる失業」への危機意識は共通している。







