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ローソンは団地を再生できるか 東日本初「ハッピーローソンタウン」オープン
2026年8月5日 08:40
ローソンは、お店を拠点に世代を超えて誰もが安心して楽しく暮らせるマチづくり構想“ハッピーローソンタウン”の集合住宅型店舗「ハッピーローソンタウン日野高幡台店」を、8月4日にオープンした。
6月4日に大阪府池田市にオープンした「ハッピーローソンタウン池田伏尾台店」に次ぐ2号店で、東日本では初となる。
ニュータウン再生を担う「ハッピーローソン」
ハッピーローソンタウン日野高幡台店が位置する高幡台団地は、いわゆる“ニュータウン”として整備された大規模団地だ。入居開始は1970年で、ピーク時には約1,600戸、6,000人以上の住民が入居していたという。
ただ、入居開始から56年ほど経過し“オールドニュータウン”と化した現在、高齢化と人口減少が進み、移動環境の整備、買い物の支援、コミュニティの維持、防災環境の整備といった様々な社会課題に直面している。
そこで、ローソンとKDDIが日野市およびUR都市機構と2026年6月に締結した包括連携協定に基づき、地域課題の解決に向けた活動の場として、高幡台団地内にハッピーローソンタウン日野高幡台店を出店することとなった。
本店舗は、従来まで「ローソンストア100」として運営していた店舗を改装する形で実現。先にオープンした池田伏尾台店は戸建て中心の団地を対象としているが、日野高幡台店は集合住宅型の団地を対象とした初のモデルとなる。同時に、防災サイネージや太陽光発電システムと蓄電池、Starlinkを活用したネットワーク設備を備える「災害支援ローソン」としての役割も担う。
店舗の役割は、通常のローソンが提供する商品やサービスに加えて、生活利便性向上や防災機能強化の視点で商品やサービスを拡充することで住民の生活を支え、新たなコミュニティを生み出すことを目指している。
例えば、店内には小上がりスペースもあるイートインコーナーを設置。これは池田伏尾台店に用意されているものと同様で、地域住民の交流の場や各種イベント開催などにも活用できる。また、子供も楽しめるように絵本コーナーも用意されており、親子連れでくつろげる場としても利用可能だ。
大型サイネージを利用した「日野市AIサポーター」では、日野市役所と連携し、ごみの出し方、コンビニ交付証明書の取得方法といった住民相談メニューを用意。その隣には個室タイプの「Pontaよろず相談所」を用意し、そちらで市役所の担当者にビデオ通話で直接相談することも可能だ。
店内のサイネージには災害情報なども表示する。
また、食品スーパー「コモディイイダ」と連携し、野菜などの生鮮品や精肉、冷凍魚など約90品目を品揃え。さらに、店内に調剤薬局「クオール薬局」を併設(9月1日オープン予定)することで、調剤医薬品やOTC医薬品の購入だけでなく、日頃の健康相談にも対応できる。
こういった部分は、池田伏尾台店でも実現されている部分が多い。ローソンの竹増貞信社長は、「ハッピーローソンタウンに決まった形はない」と述べていたが、上記の要素はハッピーローソンタウンの基本的なフォーマットと言ってもいいかもしれない。
「団地だからできる」 ビデオ通話デリバリーサービスなど実証
日野高幡台店は、池田伏尾台店とは異なる集合住宅型店舗のため、初の試みもいくつか行なわれる。
そのひとつが専用のタブレットを利用した商品デリバリーサービスの実証実験だ。高幡台団地の住民6世帯に協力してもらい、専用のタブレットから店内の商品を購入すると、店員が家まで届けるという実証実験だ。
こちらの大きな特徴となるのが、ビデオ通話を通して商品を注文できる点だ。
専用タブレットに、画面から商品を選んで注文するだけでなく、店員とビデオ通話で繋いで注文できる仕組みを構築。高齢者世帯が多い高幡台団地という立地を考慮した仕組みで、デジタル機器の操作が苦手だったり、顔なじみではない配達員が商品を持ってくることに抵抗がある人が多いといったことに配慮して取り入れているとのこと。
同時に、店内に設置されている「Pontaよろず相談所」で提供している各種相談機能も専用タブレット経由で利用できる。
こちらは11月末頃まで実証実験を行ない、その結果を踏まえてサービス展開を検討したいという。
また、配送ロボットを利用した配送サービスの実証実験を10月に開始を予定している。
こちらはKDDIの車輪付き自動配送ロボットを利用し、注文者の自宅玄関ではなく、自宅のある棟入り口まで配送する形になるとのこと。自動配送ロボットはエリアが決まっている団地のほうが導入しやすいが、どういった形での実現が最も適しているのか実証実験を通して検証したいとのことで、将来的には人型ロボットの活用も見据えているという。
「Pontaよろず相談所」のシステムを活用したオンライン診療施設の実証実験も10月に開始予定。高幡台団地は小高い多摩丘陵に位置しており、周辺に診療所や病院はあるが、いずれも団地の敷地外に位置しているため、急な坂を上り下りする必要があるなど、年配者にとってアクセス性はあまり優れない。
そこでオンライン診療施設を導入することにより、住民の利便性向上を図る。こちらは店舗内に調剤薬局が入る関係で、店舗近くの別の場所での提供を予定している。
この他、店内に「駅チョク便」の受取ロッカーをコンビニエンスストアとして初設置。駅チョク便は、JR東日本スマートロジスティクスと京王運輸が連携して提供する商品受取サービスで、専用ECサイトで注文した商品を、本店舗内に設置した多機能ロッカー「マルチエキューブ」で受け取れるというもの。こちらも、駅や周辺店舗からやや離れた高台に位置する立地を考慮し、住民の利便性向上を目的とした取り組みだ。
ただ、池田伏尾台店で実現されているAIドローンを使った街の見守り活動やインフラ点検は、日野高幡台店では実現していない。これは、高幡台団地付近が人口密集地域に指定されており、遠隔操作での飛行できない(航空法で定められている)ためだ。
そこで、現時点では店舗にドローンは設置せず、災害が発生し災害時特例が適用された場合に、KDDIがドローンを店舗に持って行き活用することを想定して運用方法について協議を重ねているという。
ドローン活用についてはKDDI、日野市とも前向きに取り組みたい意向とのことだが、実現には法改正が必要となることもあり、実現に向けて関係各所と協議を進めたいとのことだ。
こういったサービスの多くは、KDDIの通信やテクノロジーを活用して実現している。KDDI執行役員 パーソナルグロース事業本部長の村元伸弥氏は、先に紹介したPontaよろず相談やデリバリーロボット、ビデオ通話デリバリーサービスなどと合わせ、「KDDIが持つ通信の“繋がる力”や様々なテクノロジーを活用して、地域住民が安心安全に生活できるような街づくりに貢献したい」と述べた。
ニュータウン再生を担う「ハッピーローソンタウン」 全国展開へ
ハッピーローソンタウンは“お店を拠点に世代を超えて誰もが安心して楽しく暮らせるマチづくり構想”と銘打つ、従来のローソンにはない魅力や機能を備える店舗を目指している。そこには、地域とともに成長してきたローソンが、こんどは高齢化や過疎化が進む様々な地域を再活性化し、地域が抱える社会課題を解決していきたい、とい想いがあるという。
そのうえでローソンの竹増貞信社長は今回の取り組みについて「50年60年前にできたニュータウンと呼ばれる集合住宅にお店を作って、便利な小さな街に変えていきたい。(日野高幡台店で)それができれば、日本中のニュータウンと呼ばれる場所でどんどん横展開ができると思っている」と、期待感を示す。
また、7月28日に発生した令和8年熊本地震を受け、竹増氏も熊本県を視察したが、行く先々で、まだ商品が揃っていない状態でも、「ローソンがあって良かった、開いていて良かった」と言われることが多く、とにかく有事には「商品がなくても店が開いていることが住民に安心感を与える。それが我々の役割だ」と再認識したという。
それを踏まえ、有事への備えも、ハッピーローソンタウンだけでなく通常のローソンでもさらに重視してすすめたいとした。
ハッピーローソンタウンは、2030年に全国47都道府県、10カ所での展開を目標としている。竹増氏は、「多くの皆様の協力がなければ、ローソン1人では何もできません」と指摘しつつ、「今後もいろいろ課題が出てくると思いますが、皆様のご意見をいただきながら全力で地域の活性化、社会課題の解決に挑んでいきたい」と抱負を述べた。






































