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チャージスポット、不要バッテリー回収 夏の事故防止へ
2026年8月4日 16:38
モバイルバッテリーシェア「CHARGESPOT」を運営するINFORICHは、夏場に増加するモバイルバッテリー事故の防止を呼びかける「CHARGESPOTで、安全を借りよう」プロジェクトを開始した。同プロジェクトでは、不要なモバイルバッテリーの回収や屋外広告、学生との連携プログラムなどを展開する。
回収施策として、8月8日と9日に東急歌舞伎町タワー2階に不要なモバイルバッテリーの回収BOXを設置する。対象は、破損または膨張していない、リチウムイオン電池搭載のモバイルバッテリー。期間中に持ち込むと、CHARGESPOTを3時間未満利用できるクーポンを、1人1回限りで受け取れる。
また、東急田園都市線渋谷駅のコンコースでは、8月9日まで安全啓発の大型広告を掲出している。9月初旬から10月初旬にかけては、CHARGESPOT、東急歌舞伎町タワー、文化服装学院の3者連携による啓発プログラムも予定する。モバイルバッテリーの安全な使い方を伝えるコミュニケーション戦略を考える内容で、学生を対象に実施する。
回収BOXは今後、ビックカメラの渋谷店、池袋店、天神店でも試験的に設置されるという。
夏場に増えるモバイルバッテリー事故 60℃超で危険性高まる
同施策の発表会では、INFORICH 取締役兼執行役員 COOの高橋朋伯氏や同社 執行役員 Group CPOの広瀬卓哉氏、関西大学 化学生命工学部の石川正司教授が登壇した。モバイルバッテリー事故の現状や安全な使い方、CHARGESPOTの安全管理体制などが紹介された。
製品評価技術基盤機構(NITE)によると、リチウムイオン電池搭載製品の事故は、2020年からの5年間で2,140件発生している。事故は6月から8月にかけて多く、モバイルバッテリーの事故件数も21年比で3倍以上に増加しているという。
電気化学および蓄電デバイス研究を専門とする石川教授は、モバイルバッテリー事故が夏場に増える理由を解説した。事故件数は気温の上昇とともに増加し、特に8月にピークを迎えるという。リチウムイオン電池は、内部で電極同士が接触してショートすると、発熱や発火が起こり、事故につながると説明した。
リチウムイオン電池は熱に弱く、通常は45℃以下で使うことを推奨している。真夏の車内など60℃を超える環境では危険性が高まり、最悪の場合は熱暴走につながる可能性がある。同氏は、高温にならないように使うことが重要だと述べた。
モバイルバッテリーの危険な使い方としては、高温環境での放置のほか、落下などによる強い衝撃、水濡れ、膨張したバッテリーの継続使用を挙げた。バッテリーが膨らんでいる場合や異常を感じた場合は使用をやめ、自治体や回収窓口のルールに従って処分するよう呼びかけた。
同氏は、消防庁がモバイルバッテリー事故を防ぐために呼びかけている「3つのC」も紹介。「賢く選ぶ(Cool Choice)」「丁寧に使う(Careful Use)」「正しく捨てる、そして資源循環(Correct disposal with better recycling)」の3つで、購入から使用、廃棄・回収まで、各段階で安全に配慮する必要があるとした。
CHARGESPOT、1億回超のレンタルで重大事故0件
CHARGESPOTは、2018年にサービスを開始したモバイルバッテリーシェアリングサービス。専用アプリでQRコードを読み取るだけでバッテリーを借りられ、借りた場所とは別のスタンドにも返却できる。現在、国内の設置台数は約63,000台で、市場シェアは85%に迫る規模に成長しているという。
海外展開も進めており、アジアを中心に9エリアで合計約30,000台を設置している。日本で借りて台湾で返却するといった国や地域をまたいだ利用にも対応しており、今後は米国への進出も見据える。
INFORICHは、モバイルバッテリーを「忘れたから借りる」ものにとどめず、「所有するリスクを防ぎ、安全を借りる」社会インフラとして位置付ける。CHARGESPOTの国内累計レンタル回数は、7月に1億回を突破したが、発火や破裂といった重大事故は0件を維持しているという。
同社は安全性を支える仕組みとして、「作る安全」「見守る安全」「駆けつける安全」の3つを挙げる。「作る安全」では、PSEマークやCE認証を取得した製品を採用。スマホなどでも使われる高品質なバッテリーセルを用い、独自の品質基準を設けている。
「見守る安全」では、すべてのバッテリーを24時間365日体制で個別にリアルタイム監視する。温度や充電効率などを確認し、異常を検知した場合は自動的にロックをかけ、貸し出しを停止する仕組みを備える。また、投入後1年以内に約80%を回収し、最大でも3年以内にすべてのバッテリーが入れ替わるサイクルを運用することで、経年劣化によるリスク低減を図っている。
「駆けつける安全」では、全国に24,000人以上の専門オペレーションワーカーを配置し、劣化したバッテリーを回収する体制を整えている。
高橋氏は、CHARGESPOTを生活インフラの1つとして位置付け、災害時にも迅速な支援に努めていると説明。7月28日に発生した令和8年熊本地震では、発生直後からCHARGESPOTの48時間無料開放を実施していることも報告した。

















