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SMBC・富士通・ソフトバンク、病院の医療データ連携するヘルスケアアプリ

三井住友フィナンシャルグループ(SMBCグループ)、富士通、ソフトバンクの3社は、健康・医療分野での業務提携で基本合意したと発表した。国民皆保険を基盤とする日本の医療を持続可能にするための取組みで、受診した医療機関のデータと連携できるヘルスケアアプリを提供する。

ユーザーがアプリで管理する「身体・健康データ」と医療機関の「診療データ」を連携させる、国内データセンターで稼働する国産ヘルスケア基盤を構築。国内の病院の半数以上にあたる4,000以上の医療機関の連携と、6,000万人以上のユーザーの利用が目標で、LINEやPayPayといったサービスも動員する。国民の健康寿命の延伸を図ることで、2040年までの15年で30兆円増加するともいわれる国の医療費を5兆円抑制することを目指す。

日本の医療費
提携の意義
提携の全体像

アプリは、ユーザーに寄り添う「健康パートナー」になるAIエージェントを搭載。日々の健康管理から医療機関の受診、予約や治療までを総合的にカバーする。これにより、検査や投薬の重複を抑制し、効果的な健康増進を図ることで、医療の効率化や医療費の抑制につなげる。3社がそれぞれ提供しているサービスも将来的に統合を目指す。

SMBCグループは、ソフトバンクと提携してすでに「Oliveヘルスケア」を提供しているが、現在は限定的な内容というこのサービスを、大きく発展させる。医療機関での後払いサービスといった金融サービスの開発や連携・融合も行なっていく。「一過性の取組みではなく、国民的なサービスにしていきたい」(三井住友フィナンシャルグループ 執行役社長 グループCEOの中島達氏)と意気込む。

三井住友フィナンシャルグループ 執行役社長 グループCEOの中島達氏

国内医療機関の電子カルテでトップシェアの富士通は、今回のデータプラットフォームの開発をリードする立場で、医療機関に対し密にコミュニケーションを図りながら、新しいヘルスケア基盤への参画を働きかけていく。医療情報に特化したLLMも活用する。また国の施策との連携も模索していく方針を示している。「分断されていた医療データを価値のあるものにしていく。(データ主権で)個人を起点にした医療のパラダイムシフトを起こし、“産業革新”まで持っていきたい」(富士通 代表取締役社長CEOの時田隆仁氏)。

富士通 代表取締役社長CEOの時田隆仁氏

ソフトバンクはユーザー向けアプリを開発。例えば日々の歩数のデータと医療機関の受診データを分析し、最適な運動の内容をアドバイスするといったことが可能とする。ほかにも睡眠や食事など幅広い領域でアドバイスが可能という。診療予約や決済もアプリで簡単にできるようにする。普及にあたっては、PayPay、LINE、Yahoo! JAPANなどソフトバンクグループのユーザー基盤を総動員していく。

アプリのイメージ
6,000万人以上の利用を目指す

「さまざまな壁があると思うが、今こそ取り組むべきこと。3社の取組みで解決するとは思っていない。(医療費が増加する問題に)一石を投じたつもりで、当面は投資のほうが多くなるかもしれない。電子カルテもあらゆるベンダーに声をかけていく」(ソフトバンク 代表取締役 社長執行役員兼CEOの宮川潤一氏)と、取組みをさらに拡大させていく方針も語られている。

ソフトバンク 代表取締役 社長執行役員兼CEOの宮川潤一氏