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超知能社会の「AIへの権利」「週4勤務」 OpenAIが提言

OpenAIは6日(米国時間)、「インテリジェンス時代の産業政策(Industrial Policy for the Intelligence Age)」と題した文章を発表した。AIが人間の能力を超える「超知能(スーパーインテリジェンス)」への移行期において、常に人間を第一に考えるための政策アイデアを提案するもので、AIへのアクセスを基本的権利とすることや、週4日勤務の運用などを提案している。

レポートでは、AIによる「オープンな経済の構築」を提言。AIによる経済的繁栄を、一部の企業や個人だけでなく、広く共有し、誰もが参加できる経済を目指すべきとしている。

技術がより強力になり広く普及する一方で、「経済的利益がOpenAIのような少数の企業に集中してしまうリスクもある」と指摘。「AIを利用する労働者は、生産性の向上を認めつつも、その恩恵を享受しているとは感じていない可能性がある」とする。そのうえで「労働者がAI移行において発言権を持つこと」が必要で、反復的な業務や負荷の増大などは仕事の質を損なう可能性があるため、有害なAI利用は制限すべきとしている。

レポートで強調しているのは、「AIへの権利」(Right to AI)。AIへのアクセスを、識字率向上や電力・インターネットと同様の「現代経済への参加の基盤」と扱うよう提案。基盤モデルに、無料や低コストでアクセスできるようにし、その上で教育機会を増やしていく。

また、金融市場に参加していない人を含め、すべての市民がAI主導の経済成長の恩恵を享受できるよう、パブリックウェルスファンド(Public Wealth Fund)の創設も提案。ファンドは、AI企業だけでなく、AIを採用・導入する企業群の成長に向けた長期投資を行ない、その収益は市民に直接分配するという構想だ。

AIの生産性とは別の観点で注目したいのが、「効率性の配当」の提言。AIによる効率化の成果を、「労働者の福利厚生の改善」へと転換する。企業が退職金拠出のマッチングや拠出額を増額する、医療費の負担割合を拡大する、といったことに加え、生産量とサービス水準を維持しながら、賃金カットなしの「週32時間・4日勤務」のテストを推奨。その後に確保された時間を恒常的に週労働時間の短縮や積み立て可能な有給休暇などに転換するというアイデアを記している。

AIで効率化を進めると、一人あたりの業務がさらに増える、という懸念がある。そうした中で、「労働者へ時間の還元」を重視したAI活用を提言している。

また、人間中心の働き方として、AIによって職を失った労働者のために、保育、介護、教育、医療、地域サービスにおける機会の提供も課題と指摘。安全保障や社会の安定のための当局との連携や政府によるAI利用への明確なルール設定なども提言している。

OpenAIでは、これらの提案は「アイデア」とし、AIがすべての人に利益をもたらすようにするための「議論の出発点」と位置づけている。