ニュース
築50年超「多摩川住宅 ホ号棟」が大規模マンションに 7棟・全900戸が完成
2025年12月2日 17:31
住友不動産らは、1968年に建てられた「多摩川住宅 ホ号棟」のマンション建替事業について、25年10月7日にII工区(289戸)が竣工し、全900戸が完成したと発表した。マンションの名称は「シティテラス多摩川」。
1960年代には、東京への人口集中に伴う深刻な住宅難に対処するための大規模な集合住宅の建設が求められていた。そうした中で多摩川住宅は、東京都住宅供給公社により1968年に完成。総敷地約50ha、賃貸住宅1,826戸、分譲住宅2,048戸、計3,874戸の団地で、12階建ての高層建築、大型店舗の導入、野球場、テニスコート、公園、小・中学校3校を含む、公社初のマンモス団地となった。
築40年を目前にした2005年頃に、住民の発意で始まった事業。建物の老朽化や設備の経年劣化に加え、高齢化が進む中でも5階建ながらエレベーターがないなどの課題があった。また一部の棟で耐震強度不足があることなどから、建替えの検討が進められた。
「一団地の住宅施設の規制」がハードルとなったものの、容積率、建蔽率、高さ制限の緩和を受けることにより、380戸(11棟)から900戸(7棟)のマンションへの建替えが可能となった。新マンションの規模は地上12階建。「多摩川住宅地区」地区計画エリア内の建替え第1号物件となる。
建替事業の事業主は多摩川住宅ホ号棟マンション建替組合、参加組合員は住友不動産、長谷工コーポレーション。所在地は東京都調布市染地3-1。
シティテラス多摩川では、37,000m2以上の敷地の中で、空地率約55%、緑化率約25%とし、約3,800本の中高木を配置。地区公園、地区広場、コミュニティ街路による景観形成を特徴としている。また、前面棟は多摩川を望む、南向き系中心の住棟配置とした。共用施設はオープンラウンジ、コミュニティルーム、ゲストルーム、テレワークルーム等を設けている。
間取りは1LDK~4LDK、専有面積は30.68~87.01m2、延床面積は79,511.38m2。なお、建替前の多摩川住宅ホ号棟の間取りは3DK、専有面積は51.06m2、延床面積は24,612.59m2。







