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AI時代の無線LAN「Wi-Fi 8」 27年末に登場
2025年11月20日 14:58
Intelは、IEEE(米国電気電子学会)が現在策定中の無線LAN規格「Wi-Fi 8」について、説明会を行なった。Wi-Fi 8はIEEE 802.11bnに準拠する次世代無線LAN規格で、同社はこれを「Connectivity for the Ai Era(AI時代のための接続性)」と位置づけ。通信速度や帯域幅は既存のWi-Fi 7と変わらないが、接続性の向上や消費電力、セキュリティなど、AI技術を活用しながら大きく改善し、高い信頼性を実現するという。2027年末~2028年初頭頃に提供が開始される予定。
Wi-Fi 8ではネットワークがより最適化され、クライアントとアクセスポイント間の接続性を改善。より高いデータレートやレイテンシー、高度な低消費電力機能、長距離通信の改善、周波数利用の効率化などを行なう。
AIによって高度な機能も提供。Wi-Fiをセンサーのように使用することで、ユーザーが近くにいるか、遠くに居るかなどを検出できる。例えばPCで通話中に、スマホを持ってPCから離れると自動的にスマホに通話が移行したり、ユーザーから近いアクセスポイントに接続したり、ユーザーが近づくことでデバイスを自動的に起動させたりもできる。
メッシュネットワークのパフォーマンスも向上。マルチAP協調によって、アクセスポイント同士がリアルタイムで協調。シームレスなローミングを実現し、切断前に接続する手法をとることで、現在のアクセスポイントから離脱する前に次のアクセスポイントへ接続。1桁ミリ秒の遅延を目標として、パケット損失を防ぐ。
セキュリティ面でも強化され、プライバシー保護のため現在暗号化されていない管理フレームを含む全アソシエーションプロセスを暗号化。デバイス固有の通信パターンなどを解析してデバイスを特定することを防ぐフィンガープリンティング対策なども施される。





