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ソフトバンク、オラクルと「日本主権」クラウド提供へ

ソフトバンクとオラクルは、クラウド上のデータやシステムを自国の管理下で運用できる、データ主権(ソブリン性)を備えたクラウドサービスの提供に向けて協業を開始した。ソフトバンクは日本向けソブリンクラウド「Cloud PF Type A(クラウド・プラットフォーム・タイプ・エー)」を26年4月から順次提供し、オラクルのクラウド「Oracle Cloud Infrastructure(OCI)」で提供中のAIサービスも順次展開する。

デジタル社会の発展でクラウド環境の重要性が高まる一方、経済安全保障の観点から国内での安全なデータ管理・運用が求められている。Cloud PF Type Aは、オラクルの「Oracle Alloy」を活用したクラウド基盤をソフトバンクの国内データセンターに導入し、ソフトバンクが管理・運用することでソブリン性を備える。

Cloud PF Type Aでは、OCIの200種類以上のクラウドやAIサービスを利用できるほか、オラクルの暗号鍵管理サービス(KMS)である「Oracle Cloud Infrastructure Vault」とソフトバンクのKMSを組み合わせて、より高度なセキュリティも実現するという。

ネットワーク面では、マルチクラウド接続サービス「OnePort」やVPN「SmartVPN」による閉域網接続で、複数クラウドを安全かつ安定的に利用できる環境を構築する。東日本と西日本のデータセンターにクラウドを配置することで遠距離での冗長構成も可能で、ネットワーク障害や災害時のBCP対策にも有効とする。

運用については、ソフトバンクのMSP(Managed Service Provider)サービスにより、企業や自治体のニーズに応じてクラウドの運用から管理まで一貫してサポートする。26年4月に東日本のデータセンターで提供を開始し、同年10月に西日本のデータセンターへ拡大する。