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三菱UFJ、20年ぶり新店舗「エムットスクエア高輪」 個人相談に特化
2025年9月10日 10:30
三菱UFJ銀行は、新業態店舗「エムットスクエア」を東京・高輪ゲートウェイシティ「ニュウマン高輪 North 2階」に12日に開業する。営業時間は11時から20時までで、土日祝日も含めて営業する。
同行が新規に店舗を立ち上げるのは約20年ぶりとなる。第一号店となる高輪のほか、10月には大阪・箕面萱野に2号店を開設予定で、今後は全国の既存店舗の一部も新業態に順次転換していく方針。
エムットスクエアは、グループの個人向けサービスブランド「MUFGアプリ(エムット)」と連動し、預金やクレジットカード、資産運用などを包括的に提供する“ライフステージ総合金融サービス”のリアルな接点として位置づけられている。デジタルで完結する利便性と、対面相談による安心感の双方を提供するハイブリッド型拠点となる。
近年は金利の上昇を受けて、個人の資産運用ニーズが高まりを見せている。スマートフォンで完結する利便性が求められる一方で、「お金」にまつわる意思決定に対して不安を感じたり、専門家と直接相談したいと考える人も少なくない。特に、住宅ローンや相続、老後資金といったライフイベントに直面するタイミングでは、有人対応の重要性が再認識されつつあるとしている。
エムットスクエアはこうした変化を踏まえ、個人専用の相談特化型店舗として設計された。行員がタブレットを活用して案内するスタイルを採用し、相談ブースの配置に重点を置いた。エムットスクエア高輪は現金取引には対応しないキャッシュレス店舗となり、入出金はATMを利用する。来店者は予約なしでも自由に入店でき、ロビーやイベントスペースでは、資産形成に関するセミナーやマネースクールを随時開催する。
店内は従来の銀行店舗とは異なる設計とし、カフェのような開放的な空間を採用。香り、照明、家具の選定にも配慮した、長時間の滞在を前提とした快適性を重視した。営業時間は11時から20時までとし、従来型店舗で指摘されてきた平日昼間のみの営業といった制約にも対応する。資産運用やライフプラン相談など、働く世代が業務後にも立ち寄りやすい設計となっている。MUFGは、「エムット」について、2026年度までに100万口座、カード100万枚の目標を掲げており、店舗と連動した施策を進める。エムットスクエアはリアル接点を活かし、エムットの拡大を図っていく。
20年ぶり新店舗はデジタルとリアルをつなぐ
同行は、2026年度末のデジタルバンク立ち上げを計画しており、「エムットスクエア」はそのリアルな接点の一つとして機能させる。スマートフォンやWebでの手続きに不安を感じる層に対し、有人によるサポートを補完的に提供することで、幅広い層へのリーチを目指す。
高輪での取り組みを通じて得られた知見は、今後の店舗網の再編にも活用していく。同行では、将来的に全国の店舗の3分の1から4分の1程度を「エムットスクエア」型に再構築していくことを視野に入れている。なお、既存店舗を転換する際には、地域の特性や利用者層を踏まえ、現金取扱などの機能は柔軟に対応するとしている。
今後はメタバース上での仮想店舗や、オンライン接客とリアル店舗を組み合わせたサービス導線の構築も検討しており、顧客接点の多層化を進めていく。三菱UFJ銀行 取締役頭取執行役員 半沢淳一氏は「三菱UFJ銀行にとって約20年ぶりとなる新店舗、エムットスクエア高輪の開業は、銀行という存在が社会や生活の変化とともに姿を変えながら、お客様に必要とされる新しい価値を提供していくという『新たな挑戦』の象徴です」と語った。
東日本旅客鉃道 代表取締役社長 喜㔟陽一氏も登壇。「高輪ゲートウェイシティはパートナーとの共創の場とともに実験場でもある。金融サービスを通じて、今までにない豊かな人の暮らしを創出し、新しい価値・利便性を、ハブとなる高輪から日本各地、さらに世界に向けて発信していく」と説明。また、「共創の中から新しい価値を作っていきたい。高輪ゲートウェイシティは共創の場であるとともに、Suicaの実験場でもある。われわれだけではできないSuicaの新しい価値を作りあげていきたい。エムットスクエア高輪において、どんな共創ができるのか、わくわくしている」と語った。
