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Universal Music、TikTokとの契約を打ち切り「正当な対価なくAI代替」

大手音楽レーベルの米Universal Music Groupは30日(米国時間)、TikTokとのパートナーシップ契約を打ち切ると発表した。TikTokが正当な対価を払わず、またAIによる音楽を支援し、アーティストの代替を目指していると訴えている。

Universal MusicとTikTokは、TikTok上の音楽利用について協力してきたが、その契約更新の話し合いにおいて、Universal Musicが同意できないことが多かったとするUniversal Musicは、アーティストと作詞作曲家への適切な報酬、AIの有害な影響から人間のアーティストを保護すること、TikTokユーザーの安全性という3つの問題の対応を求めてきた。

しかしTikTokは、アーティストやソングライターの報酬を他の大手ソーシャル・プラットフォームの数分の一のレートで提案してきたという。Universal MusicはTikTokが多くのユーザーを抱え、広告収入が増加し、音楽ベースのコンテンツへの依存が高まっているにもかかわらず、その収入はUniversalの総収入の1%程度にとどまると指摘。「TikTokは音楽に正当な価値を支払うことなく、音楽ベースのビジネスを構築しようとしている」と非難している。

また、AIについても、「TikTokはプラットフォームがAIによって生成された音源で溢れかえることを容認している」とするほか、プラットフォーム自体でAIの音楽制作を可能にし、促進・奨励していると訴える。

さらに、TikTokプラットフォーム上のヘイトスピーチ、偏見、いじめ、嫌がらせなどへの対応のほか、類似したコンテンツの問題でも解決策を示せていないと指摘。権利者からの削除も非常に面倒なものだという。

そして、これらの問題への対処を提案したところ、TikTokは無関心かつ威圧的な態度で応じたという。そのためUniversal MusicはTikTokとの契約を打ち切りを決定。「我々は常にアーティストとソングライターのために戦い、音楽の創造性と商業的価値のために立ち上がる」と述べている。これにより、今後TikTok上でUniversal Musicの楽曲利用が制限されると見られる。

TikTokはこの声明を受けて、「Universal Music Groupがアーティストやソングライターの利益よりも自分たちの欲を優先したことは、悲しく残念なこと。虚偽のシナリオとレトリックとともに、10億人超のプラットフォームの強力なサポートから離れることを選択した」と対立するコメントを発表。「他のあらゆるレーベルやパブリッシャーと『アーティスト優先』の契約を結んでいる」としている。