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ライドシェア、来年4月解禁 タクシー会社管理の日本型

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一般のドライバーが自家用車を使って有償で他人を送迎する「ライドシェア」が2024年4月から部分的に解禁される。20日に開催された「デジタル行財政改革会議」の中間とりまとめで方針が示され、'23年度中に制度設計を進める。

ライドシェアについては、地方においてバスやタクシーのドライバーの確保が難しくなっていること、都市部や観光地においてインバウンド等で急増した需要にタクシーの数が足りないといった課題から、議論が進められてきた。

今回、タクシーが不足する地域や時間、時間帯を限定した上で、地域の自家用車やドライバーを活用して、「タクシー事業の一環」として運送サービスを提供する形でのライドシェア解禁が決まった。

解禁は、「自家用有償旅客運送制度」(道路運送法第78条第2号)の見直しにより実現する。同制度は、過疎地などでドライバー確保が困難な場合に、二種運転免許を持たなくても一定の資格を満たせば、市町村やNPO法人等が自家用車で運送サービスを提供可能とするためのもの。解禁後は、タクシー会社による配車アプリデータを活用し、都市部や観光地において、タクシーが不足している地域や期間、時間帯に限定し、地域のドライバー/自家用車によるライドシェアを認める。

海外の多くのライドシェアサービスと今回の解禁が異なるのは、「タクシー事業の一環として運送サービスを提供する」ということ。運行管理や配車などはタクシー会社が担当し、タクシー事業者が責任を持つ形になる。運賃もタクシーに準ずる。

タクシー会社が管理するという点で、米国のUberなどの事例とは仕組みは異なるものとなる。タクシー会社以外の企業の参入を可能とする環境整備については、'24年6月を目処に検討を進める。

現在、タクシーアプリが導入されている地域においては、各配車アプリのデータを活用して、タクシーが不足する時間や期間、地域を明確化。データに基づき、不足分として地域のドライバーや自家用車を活用する。また、アプリ導入が進んでいない地域は、無線配車の状況や関係者ヒアリングなどで、不足状況を分析するほか、アプリ導入を促進していく。

まずは自家用有償旅客運送制度を抜本的に見直し。制度に定められた「交通空白地」の目安を数値で示すとともに、「時間帯による空白」も取り込む。また、観光地における宿泊施設による車両活用などのほか、一定のダイナミックプライシングの導入などを検討していく。対価の目安の引き上げ(タクシー運賃の約8割)も実施する。

タクシー運転手増加の阻害要因とも指摘される「地理試験」は、カーナビやアプリで代替できるとして2023年中に廃止する。また、現状10日間としている研修期間を撤廃し、研修の短縮を図る。第二種免許取得の教習では、一日当たりの技能教習の上限時間を延長するとともに、教習内容を見直し。外国人のドライバーの積極的な採用のため、2024年4月以降に行なう二種免許試験は20言語に多言語化して実施する。あわせて、違法な白タクの取締りを強化する。