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楽天モバイル542万回線でSPU改定に期待 第3四半期はEC・フィンテック堅調

楽天グループは9日、2023年度第3四半期決算を発表した。連結売上収益は第3四半期として過去最高の5,184億円(前年同期比10.1%増)の2桁成長となった。

連結Non-GAAP営業損失は410億円で、前年同期比420億円改善。モバイル事業における営業損失の逓減や、「楽天トラベル」など国内EC内コアビジネス、楽天銀行や楽天証券の収益伸長により大幅に改善した。連結Non-GAAP EBITDAは356億円の黒字。

楽天グループの国内月間アクティブユーザー数は4,090万(前年同期比7.2%増)で、過去12カ月間の全サービスに対する2サービス以上利用者数の割合は76.5%。楽天エコシステムの顧客基盤が引き続き成長しているという。広告事業の四半期の売上収益は510億円(同15.3%増)と2桁成長を続けている。

ECはふるさと納税で駆け込み需要

インターネットサービスセグメントの第3四半期の売上収益は3,012億円(前年同期比13.9%増)。国内ECは2,249億円(同14.9%増)、国内EC流通総額は約1.6兆円(同15.7%増)。

「楽天市場」は、10月からのふるさと納税のルール変更に伴い、駆け込み需要が発生し、平均購入単価が大幅に増加。「楽天トラベル」は夏の商戦期の需要を取り込み、国内宿泊流通総額がコロナ拡大以前の2019年第3四半期との比較で39.6%増と大きく成長した。

海外事業もデジタルコンテンツを中心に顧客基盤が拡大し、「RakutenTV」の総ユーザー数は8,440万人(前年同期比42.1%増)、「RakutenViki」の総登録者数は7,840万人(同23.9%増)。

フィンテックは堅調「オフラインでも楽天」

フィンテックセグメントの売上収益は1,846億円(前年同期比13.6%増)、Non-GAAP営業利益は286億円(同35.8%増)で増収増益。

「楽天カード」の発行枚数は、9月末に2,954万枚(前年同期比7.4%増)で、目標に掲げる3,000万に迫っている。四半期のショッピング取扱高は5.3兆円(同17.4%増)となり、直近12カ月間におけるショッピング取扱高は20兆円を超えた。

「楽天証券」の口座数は、9月末時点で968万口座(前年同期比15.8%増)。「楽天銀行」の単体口座数は1,437万口座(同10.3%増)となり、顧客基盤が拡大している。

なお、楽天証券では国内株式手数料の無料化を発表した。この狙いは「顧客のロイヤリティ向上」としており、取引シェアの拡大により長期的な収益化を目指すとした。楽天グループ三木谷浩史CEOは、「新NISAも始まる。外国株式や投資信託も伸ばしていける」とし、国内株式手数料無料化後でも前年同期比で営業収益がプラスになっていることから「目論見通り」とした。

なお、9日にはみずほ証券による楽天証券への追加出資も発表している。

「楽天ペイメント」の第3四半期の売上収益は200億円(前年同期比37.4%増)。楽天ペイメントを楽天カード子会社化したことで、カードとコード決済、Felicaなどを一体運営できるようになったことから、「オンラインに強い楽天グループが、オフラインでもかなりの影響度を持ってきた」(楽天グループ三木谷浩史CEO)とした。

楽天モバイルは542万回線。SPU改定に期待

モバイルセグメントにおける当第3四半期の売上収益は887億円(前年同期比5%増)と増収で、Non-GAAP営業損失は812億円で前年同期比364億円改善した。

「楽天モバイル」で契約者数増加とARPU(1ユーザー当たりの平均売上)が上昇したことにより、楽天モバイル単体の売上収益は557億円(前年同期比21.6%増)。Non-GAAP営業損失は767億円で351億円の改善だが、引き続き損失は大きい。

MNOの契約数(個人・法人)は、9月末時点で522万回線(前四半期比41万回線増)、10月末時点(速報値)で542万回線となり、前月比19.2万回線増で純増加数が加速した。10月だけの純増が19.2万件と伸びており、2024年末までに契約回線800~1,000万件を目指す。

第3四半期のMNO ARPU(個人・法人)は2,046円(前年同期比590円増)。三木谷CEOは、「重要なのは解約率が下がってきていること、非常によい状況」とした。また、10月23日に総務省よりプラチナバンドの割当認定を受けており、まずは都心部建物内のカバレッジ対応に集中して投資していく。プラチナバンドに関連の10年間の設備投資金額合計は544億円としている。

また12月からは楽天スーパーポイントの「SPU(スーパーポイントアッププログラム)」も刷新され、楽天モバイルユーザーを優遇する形を取る。三木谷CEOは「始めて見なければ分からないが、多くの方にはアップグレードになる。毎日全員5倍ポイントは魅力的。モバイルのユーザーは、楽天市場での購入率が60%増加し、トラベルは2倍になるなど、相互によい効果がある」と期待を語る。また、楽天の取引先などBtoBでの法人営業についても積極的に展開し、翻訳などのソリューションとともに楽天サービスを訴求していく。

通話アプリの「Rakuten Link」では、楽天グループサービスへの送客が大幅に増加しているという。この改善を続けて「楽天のスーパApp(スーパアプリ)」に強化していく。設備投資については2023年度の2,000億円から、2024年度は半減させていく見通し。三木谷CEOは、「現在のネットワークで1,300万人程度をサポートできる」とした。