ニュース

楽天、3000億円超の赤字もモバイル改善に自信

楽天グループ 三木谷浩史会長

楽天グループは14日、2023年度通期決算を発表した。連結売上収益は第3四半期として過去最高の2兆713億円(前年同期比7.8%増)で創業以来の27期連続増収となった。一方、モバイル事業への投資の影響などで、営業利益はマイナス2,128億円、当期利益はマイナス3,295億円となった。

2023年度通期は「インターネットサービス」「フィンテック」「モバイル」の全セグメントで前年比で増収。モバイル事業は営業損失が改善したほか、フィンテックセグメントの成長により、2023年度の連結Non-GAAP営業損失は前年比1,822億円の改善となる1,530億円となった。また、12月の単月連結Non-GAAP営業利益は212億円となり、目標としていた単月黒字化を達成した。

楽天市場・トラベルは堅調

楽天市場などのインターネットサービスセグメントは、'23年度売上収益が1兆2,123億円(前年比9.8%増)、Non-GAAP営業利益は768億円(同18.9%増)で増収増益。

国内ECにおける2023年度の流通総額は6兆円(前年比6.9%増)に到達。2030年度に10兆円の達成を目指す。また、「楽天トラベル」は国内宿泊流通総額がコロナ拡大以前の2019年対比で42.7%増と大きく成長した。広告事業も2,000億円を突破し、前年比12.9%増となった。

海外事業ではデジタルコンテンツを中心に顧客基盤を拡大。「Rakuten TV」の総ユーザー数は9,390万人(前年比42.8%増)、「Rakuten Viki」の総登録者数は8,250万人(前年比23.4%増)。

銀行は1500万、証券は1000万の大台突破

フィンテックセグメントの売上収益は7,252億円(前年比11.2%増)、Non-GAAP営業利益は1,229億円(前年比36.8%増)で増収増益となった。

「楽天カード」は、キャッシュレス化の流れが追い風となったほか、新デザインカードや2枚目のカード発行などのマーケティング施策の継続的な実施で、2023年12月末に発行枚数が3,007万枚(前年比7.1%増)となり、中期計画「トリプル3」の指標の一つである3,000万枚を達成した。ショッピング取扱高は年間で21.1兆円(前年比16.4%増)で、中期計画であるショッピング取扱高30兆円、取扱高シェア30%の達成を目指す。

ポイント化施策の最適化により、Non-GAAP営業利益も向上。営業利益率は17.7%(前年度は11.1%)。

「楽天銀行」の単体口座数は1,500万口座で、顧客基盤が堅調に拡大。「楽天証券」の総合証券口座数は12月末時点で1,020万口座(前年比18.1%増)。国内株式手数料無料化により口座数が増加したほか、投信積立設定額も1,500億を超え、1月の新NISA開始と合わせて「非常に好調」と言及。国内株式取引売買代金シェアは34.6%で、引き続き拡大を目指す。

「楽天ペイメント」の売上収益は750億円(前年比35.7%増)。「楽天ペイ」や「楽天キャッシュ」における利用者の増加や、利用可能な加盟店およびシーンの拡大に伴う取扱高の伸長により増収となった。

モバイルは800~1000万回線目標 単月黒字を目指す

モバイルセグメントの23年度の売上収益は3,646億円(前年比3.9%増)。Non-GAAP営業損失は前年比1,417億円の改善し、3,375億円。コスト構造の見直しや契約者数の増加で改善している。Non-GAAP EBITDAは前年比1,599億円の改善となる1,791億円の赤字。

楽天モバイルでは、「Rakuten最強プラン」開始後のデータ利用量の増加などでARPU(1ユーザー当たりの平均売上)が上昇。また、法人プランの開始に伴う契約者数の増加により、楽天モバイル単体での23年度の売上収益は2,249億円(前年比17.7%増)。Non-GAAP営業損失は前年比1,368億円の改善の3,225億円となった。

楽天モバイル(MNO)の契約数(個人・法人)は、2023年12月末時点で609万回線。法人プランでBCP用途に提供しているプランを除く場合、596万回線となる。「なによりも解約率が劇的に下がっている(三木谷会長)」と、コスト削減の効果とともにユーザーからの支持を強調した。

三木谷会長は、2024年度は楽天モバイルの「フェーズ3」と言及。「モバイル事業は、議論を呼んだが、この事業には社会的意義がある。そして、楽天エコシステムを使うことで、他社と違う収益化ができる。そして楽天シンフォニーの仮想化技術がある」と強調し、一般ユーザーの利用増と法人の拡大により、2024年12月までの2024年内の月次Non-GAAP EBITDA黒字化実現を目指す。

2024年度の目標として800~1,000万回線、ARPU目標2,500~3,000円(12月末時点は1,986円)を掲げ、コスト抑制とともに年度内黒字化を図る。ただし、価格の安さは維持し、通信品質の改善が解約低下にも繋がったことから、通信品質を重視していく。法人向けでは、大企業の獲得を狙うとともに、エリアや楽天市場やトラベルの出店者への訴求を強化していく。