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“心拍屋”ポラールの新ランニングウォッチ「Pacer Pro」

ポラール Pacer Pro

ポラール・エレクトロ・ジャパンは、ランナー向けの新しいランニングGPSウォッチ「Pacer」(ペーサー)シリーズ2モデルを発表した。「Pacer Pro」は43,780円で4月27日発売、カラーは5色(オーロラグリーンのみ5月下旬発売)。「Pacer」は29,700円で5月下旬発売、カラーは4色。

Pacer Pro

Pacer Pro

Pacer Proはラニング中級者やシリアスランナー、プロもターゲットにしたモデル。ケース径は45mm。41gと軽量で、35時間の長時間バッテリー駆動を実現するほか、ランニングパワー計測、ランニングパフォーマンステストなど、走力向上につながるさまざまな機能を搭載している。

基本機能として心拍計測、GPS、距離、スピード、ケイデンス、ラップ、消費カロリー計測などに対応。腕時計単体でランニングパワーの計測、アップダウンの自動計測が可能なほか、水分・栄養の補給タイミングを通知する機能、三大栄養素の消費エネルギーの表示機能、ルートガイダンス機能などを搭載する。睡眠計測や睡眠の質の分析、直近のトレーニング量からオーバートレーニングを防止する機能も用意される。

また新機能として「ウォーキングテスト」を搭載。これはランニングではなくウォーキングの効果を測るもので、有酸素能力を測るフィットネスレベル、心拍機能、最大酸素摂取量の推移を確認可能。効果の測定や実感が難しいことも多いウォーキングの効果を可視化できる。

Pacer Proについて

ハードウェア面ではディスプレイがMIPディスプレイとなり屋外でも見やすく長時間の駆動を可能にした。プロセッサーなど基本も強化されているほか、アルミ製ケースを採用、GPSアンテナも改良されている。ディスプレイ表面はGorilla Glass 3を新たに採用、強度を維持したままガラスを薄くできることで画面が見やすくなった。

本体の裏蓋も改善され、センサーの高度化により腕との接触を確認する突起が不要となり、よりフラットな形状になった。充電端子の形状も変更されている。

バッテリー駆動時間は、GPSの高精度記録によるトレーニング連続使用で最大35時間。24時間の心拍計測使用で最大7日間。

操作は5つのボタンで行なう。防水性能は50m防水。大きさはケース径が45mm、厚さが11.5mm、重さは41g(リストバンド含む)。

カラーラインナップはカーボンブラック、ホワイトレッド、ワインレッド、ミッドナイトブルー、オーロラグリーン。

どのモデルにも標準で2種類のサイズのリストバンド(S、M~L)が同梱される。リストバンドは専用デザインである一方、同梱のアダプターに交換すれば、一般的な腕時計用交換ベルトの装着も可能になっている。

Pacer

ポラール Pacer

よりベーシックで幅広いユーザーをターゲットにしているのが「Pacer」。ハードウェアの仕様の多くは上位モデルのPacer Proと共通で、ディスプレイの仕様やバッテリー駆動時間も同じ。

一方、気圧高度計とコンパスが非搭載で、これにより単体でのランニングパワー測定や筋力トレーニング負荷の測定には非対応となる(アプリ連携で可能)。ルート案内機能も同様にサポートされない。またケース素材が異なり、カジュアル寄りのデザインを採用。ベルト交換用アダプターにも非対応となる。重さは40g(リストバンド含む)となる。

カラーラインナップはナイトブラック、ディープグリーン、ライラックパープル、ミルキーホワイト。

Pacerについて

心拍屋が作るランニングウォッチ

ポラールは1982年に世界初のトレーニング用心拍計モニター装置を開発した、心拍計測に強みを持つブランド。ランニングやサイクリングのトレーニングツールとして古くから定評がある一方、最近はランニングだけにフォーカスした製品は少なくなっていたとのことで、「Pacer」シリーズは改めてランニングにフォーカスしたモデルとなる。なお、機能としてはサイクリングやトライアスロンなど、130以上のスポーツ・トレーニングをサポートしている。

ポラール・エレクトロ・ジャパン 代表取締役の榊原伸司氏は、ポラールの製品は、“心拍屋”として心拍計測の機能が高精度であることに加えて、オーバートレーニングを防ぐ機能など、アスリートを全方位でサポートする機能が搭載されていることを紹介した。

「食べて、寝て、走る」をサポート

高橋尚子氏

4月14日に開催された発表会では、ポラールアンバサダーの高橋尚子氏も登場し、「Pacer Pro」の使用感を語っている。

今回発売のPacerシリーズの前モデルに相当するのは、GPSマルチスポーツウォッチとして展開している「Vantage M」シリーズ。高橋氏は、前モデルを含め、ランニング中はもちろん、睡眠の計測からカロリー計算まで1日中装着して使用しているとのことで、「自分の体と向き合う時間・機会をもらえた」とコメント。

また心拍は、体調を知る正確で重要な指標とし、気持ちが先走ってしまいがちな新生活のシーズンでも、体調がどうなのかは心拍でしっかり把握できるとした。計測を続け、慣れてくれば、体調と気持ちの感覚が一致してくるという。

すでに使用していたVantage M2と比較した部分については、軽くなり、裏蓋の突起がなくなって密着感が高まった点や、画面が見やすくなった点などに言及。カラー表示でわかりやすく表示されることで、コーチの代わりのようにモチベーションも維持しやすいとしている。

カラー表示が見やすくなりモチベーションの維持にもつながりやすいとした

高橋氏はポラールのランニングウォッチを使い倒しているという印象で、ほかにもランニングパワー計測、睡眠、カロリー消費とさまざまに使いこなしている様子を紹介している。

「食べて、寝て、走る、が(ランニングの)三大要素。どれが欠けてもバランスが悪くなり、パフォーマンスは上がらない。練習だけすれば良くなるというの大間違いだと思う」と持論も紹介し、「ひとつの体として、連携して考える。それが時計ひとつで理解できるのがすごい」と評価。氏のいう三大要素のどれもがPacer Proで計測できる様子を紹介した。

ほかにも、睡眠の質の計測にも言及。現役時代から常に毎朝心拍を計測し、その数値の増減で疲れがとれているのかどうかを判断していたといい、起きて一瞬で心拍が分かることで非常に便利になったと紹介。1日の3分の1近い時間を使う睡眠の内容を理解することは、より良いパフォーマンスにつながるとした。

睡眠計測などでアプリ連携機能も使いこなしていた
高橋尚子氏(左)、ポラール・エレクトロ・ジャパン 代表取締役の榊原伸司氏(右)

発表会では、メディア関係者を対象に新機能の「ウォーキングテスト」の体験会も実施。Pacer Proから指示されるペースで規定時間のウォーキングを行なうとウォーキングのパフォーマンスが分かるというもので、高橋氏も一緒にテストを実施した。

ウォーキングテスト機能
メディア関係者には「高橋尚子さんと一緒にウォーキングできます」という触れ込みだったが、(当然ながら)ウォーキングのペースが速く独走状態に
ペースの指示に従って計測すると、パフォーマンスが分かる