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アブラヤシの廃材を使った再生木質ボード「PALM LOOP」 パナ開発

パナソニック ハウジングシステム事業部は、業界初という、アブラヤシの廃材を活用した再生木質ボード化技術「PALM LOOP(パームループ)」を開発した。このボードを使ったソファやデスクなどを大塚家具が4月から発売する。

アブラヤシの果実から採取されたパーム油は、食用油や洗剤の原料として使用され、商業作物としてマレーシアやインドネシアなどの東南アジア諸国で大規模に栽培されている。しかし、25~30年の収穫期間を終えて伐採されたアブラヤシの廃材の多くは農園内に放置され、腐敗時にメタンガスを含む温室効果ガスが発生する。メタンガスの温室効果は二酸化炭素(CO2)の約25倍と言われており、この廃材の削減は温室効果ガス削減の有効な解決策となる。また、世界的に木材資源の減少が深刻化していることから、未利用資源のアブラヤシ廃材由来の再生木質ボードは、従来の木質ボードの代替品として高い利用価値を持つという。

従来、アブラヤシ廃材は水分が多く腐りやすいなどの特性から活用が困難とされていたが、パナソニックは不純物を洗浄工程により除去し、抽出した長繊維を圧縮成形する独自の中間材を用いた再生木質ボード化技術を開発。品質の安定したボード再生に成功した。中間材化することで輸送性・保管性も向上するため、遠隔地のボード工場でも従来の木質ボード原料と同じように使用できるという。

この廃材を、日本国内家具市場に導入する。'22年春に国内家具製造業者へ再生木質ボードを提供し、大塚家具、東京インテリア家具と協働して受容性検証を開始。'23年度以降は家具市場以外への用途展開や、海外展開なども見込んでいる。

大塚家具は、「PALM LOOP」を使用したソファ、ダイニング、ベッドフレーム、デスク、シェルフなどの家具製品を4月から受注開始する。

ダイニングテーブル「COMMON-PL」やシェルフ「TONG-PL」、ソファ「FLUTTO-PL」、ベッドフレーム「LT-101 F PL LG」、デスク・シェルフ「アーク-PL」などの製品を展開する。