ニュース

JR西、新幹線光ファイバ活用の情報通信事業に参入

JR西日本光ファイバネットワーク図

JR西日本は、保有する鉄道事業用光ファイバネットワークを活用した情報通信事業を開始する。新会社の名称は「JR西日本光ネットワーク株式会社」、設立日は7月1日。国内鉄道事業者における光ファイバネットワークの開放では最大規模。

秋から光ファイバネットワークの空き芯線を顧客に貸与する光ファイバ「芯線賃貸サービス」を開始し、2022年春には高速データ通信サービスの開始も予定する。

同社の光ファイバネットワークの強みとして、「高い品質」「高い安定性」「高い信頼性」を訴求。

品質については、鉄道沿線に敷設していることから、都市間を直線的に最短距離で接続でき、駅部以外は原則融着接続のため、伝送損失が極めて低いという。

安定性については、災害や事故に強く、工事等による回線停止も少ない点を特徴に挙げる。中でも新幹線は頑強な鉄道構造物上に敷設されているため、安定性がより高いとしている。

信頼性については、24時間365日鉄道保守要員が設備を管理していることによるものとしている。

JR西日本光ファイバネットワークは、西日本最大級のIX拠点である大阪堂島エリアのデータセンターに接続しており、また西日本エリアの主要なデータセンターに随時接続し、ネットワークを拡大していくという。IX(Internet eXchange)とは、インターネットに接続する上で様々な事業者のネットワークを相互接続する施設。

阪神電鉄でも、阪神ケーブルエンジニアリングが、阪神電鉄や阪急電鉄などの鉄道の軌道沿いを中心に、通信拠点間を光ファイバで結ぶ光ネットワークを構築し、光ファイバの芯線を通信事業者や一般企業向けに貸与するサービスを提供している。秋からはJR西日本光ネットワークが提供する光ネットワークと相互に接続し、サービス提供エリアを拡大する。

阪神ケーブルエンジニアリングでは、光ファイバの芯線を通信事業者向けに貸与する「光ファイバ芯線貸与サービス」や一般企業向けに貸与する「光ファイバ専用サービス」を提供。特徴としてJR西日本光ネットワークと同じく「高信頼」「低損失」を挙げるほか、他の通信事業者とは異なる経路で拠点間を結ぶことによるルートの冗長化が可能であることも訴求している。

光ネットワークの相互接続は大阪府及び兵庫県内で実施。具体的には、7月に西九条エリア及び大阪梅田エリア接続、2022年3月に宝塚エリア及び神戸エリア接続を予定する。