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ヤフー×ヤマトで新コマース展開。翌日配達やリアル連動「Xショッピング」

Zホールディングス 川邊 健太郎CEO(左)とヤマトホールディングス 長尾裕社長

ヤフーの親会社であるZホールディングス(ZHD)は、物流・配送の強化に向けた新たなコマース戦略を発表し、ヤマトホールディングスと業務提携に向けた基本合意書を提携締結した。ヤマトは、ヤフーショッピングやPayPayモールなど、ヤフー運営のオンラインショッピングモール出店ストアの受注から出荷までの業務を代行する新物流サービスを、2020年6月30日より提供する。

ヤマト連携によるヤフーやPayPayモールの翌日配達強化

ヤマトは、PayPayモールとYahoo!ショッピングの出店ストア向けに新物流サービス「フルフィルメントサービス」と「ピック&デリバリーサービス」を展開。ヤマトが商品受注から出荷までの業務を代行するもので、出店ストアは、出荷作業の負担を軽減できるほか、物流にかかる人件費などのコストを削減できる。

また、フルフィルメントサービスを利用した場合、ストアが定休日でも出荷可能になるため、受注から出荷までのリードタイムを短縮。翌日配達の件数が増え、ユーザー利便性も向上できるという。

ヤマトは、同サービスの申し込み受付を出店ストア向けに3月24日から開始。さらに、ヤフーは同サービス利用ストアの商品を購入した人限定で、送料相当額のPayPayボーナスライトを付与し、実質送料を無料とする期間限定のキャンペーンを実施する。キャンペーンは6月30日から12月までを予定している。

Eコマースで買って店で受け取る「Xショッピング」

さらに新コマース戦略において、ZHDはeコマースとリアルの垣根がなくなる「X(クロス)ショッピング」構想を掲げ、「PayPayモール」で実店舗在庫情報の連携を実施、2020年秋頃より出店ストアの実店舗にある商品の購入が可能になる。

Xショッピングにより、実店舗には在庫があるのに、オンラインで商品がない場合などに、購入した商品を最寄りの実店舗で受け取れる。また、店舗に行くことで配達を待たずに商品を手に入れられるなどのメリットがある。

出店ストアの利点は、実店舗集客につながるほか、来店ユーザーに別の商品をおすすめする「ついで買い」などを提案し、売上増を見込めること。

Xショッピングの第1弾として、3月10日から「ヤマダ電機PayPayモール店」など一部ストアで実店舗在庫の有無の表示を開始。さらに、ZOZOTOWN PayPayモール店でも、出店ショップの了承のもと実店舗在庫情報の活用を検討し、表示できるストア商品点数を拡充する。

ZHDは、Yahoo! JAPANのeコマースにおける検索や決済などの一連のショッピングシステム「XS(クロスショッピング)エンジン」を、独自ドメインで自社ECストアを運営する事業者に対し提供。出店ストアのニーズや形態に応じて、新物流サービスやZOZOやアスクルが運営する倉庫や物流網の活用も含め、さまざまな物流・配送サービスを提供していく。

XSエンジンにより、店舗は独自ドメインのECストアを簡単に構築可能になるほか、PayPayモールやYahoo!ショッピングに出店し、複数のサイトを一括で運営可能。また、PayPay決済やAI活用のレコメンド機能などのノウハウも活用できる。

XSエンジン採用第1弾は、グループ会社アスクルの「LOHACO」。

また、ZHDが掲げる「Xショッピング」構想において、事業の対象となる市場が、オンラインだけでなくオフラインも含めた年間約150兆円のBtoC物販市場に拡大。ZHDは、これらの戦略を実施することにより、「欲しいものが欲しい時に手に入る」世界の実現を目指す。