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KDDI力や地銀連携で攻める「auじぶん銀行」

土屋神葉さん(右)、auじぶん銀行 臼井社長(中央)、土屋炎伽さん(右)

auじぶん銀行は10日、社名変更と今後の事業展開について説明会を開催した。「銀行を連れて生きていこう。」をテーマに、貯蓄から資産形成へのサポートを加速するとともに、強みを持つ住宅ローンの展開や地銀へのモバイルバンキング提供を強化する。

2008年にKDDIと三菱UFJ銀行の共同出資で設立された「じぶん銀行」は、2019年4月にauフィナンシャルホールディングスの子会社となり、2月9日からは「auじぶん銀行」に商号変更した。KDDI/auの金融サービスの核となり、スマホ向けのフルバンキングサービスを提供していく。

現在の口座数は383万、預金残高は1.3兆円、貸出残高は1兆円、スマホ経由での利用は8割超となっている。男女比は「ほぼ半々(男性56%、女性44%)で全ての年齢層で偏りがない(臼井朋貴社長)」ことも特徴という。入金・振込・決済や預金などの基本機能に加え、住宅ローンやカードローン、株式・投資信託、FX、くじ・公営競技などを展開。いずれのサービスもスマホでほぼ完結できる。

auじぶん銀行は、KDDIグループが推進する「スマートマネー構想」の中核となる。会員基盤1億超、年間ポイント付与額2,000億超の経済圏の中で、預金や送金などの銀行業務を担当。au PAYアプリからもすぐに使え、グループの他の金融サービスと連携し、「貯蓄から資産形成へのサポートを加速する」という。スマホからフィナンシャル・プランナー(FP)による無料家計見直し相談などのサービスも展開していく。

スマホで完結できる銀行として、ブランドメッセージも「銀行を連れて、生きていこう。」に一新。キャッシュカードの券面も高級感とauブランドを意識し、ゴールドを大胆に使ったものにした。

auじぶん銀行の強みは「住宅ローン」。2020年1月時点で累計7,000億円を突破しており、直近の一年で3,000億円増えている。特徴は、業界最低水準の金利のほか、がん+全疾病保証の団信(団体信用生命保険)、最低2週間というネット専業ならではのスピード審査。さらに、au契約者向けのキャッシュバックや、じぶんでんきとのセットによる金利優遇など、グループ内のサービスと連携し、競争力を高めている。

今後、取組を強化するのが地銀との連携。auじぶん銀行アライアンスとして、北海道銀行や十六銀行などにスポーツくじの「toto」をシステム提供しているが、提携金融機関を全国に広げるとともに、toto以外にのサービスに対応予定。

具体的には、スマホアプリやスマホATM、AI外貨予測、スマホデビット、FX、公営競技など、auじぶん銀行が展開しているサービスを地銀向けにカスタマイズして提供。地銀はシステムを活用することで、自行の口座開設者向けに様々なサービスを提供可能になる。

また行名変更キャンペーンや、au PAYのキャンペーンとあわせて、auじぶん銀行の利用者の拡大を狙う。じぶん銀行では、認知が足りずに銀行として信頼できるのか? といった声も寄せられていたが、(行名変更により)「auのブランド・信頼を活かしていきたい」(臼井社長)とした。