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パナソニック、半導体事業を台湾Nuvotonに譲渡

パナソニックは、子会社のパナソニック セミコンダクターソリューションズ(PSCS)を中心に運営している半導体事業を、台湾に本社を置く半導体企業Winbond Electronics傘下のNuvoton Technologyに譲渡する事と、同社との間で株式資産譲渡契約を締結することを決定した。

パナソニックの半導体事業は、過去数年来、AV分野から車載・産業分野へのシフトとともに、イメージセンサなどの「空間認識」技術と、バッテリーマネジメント用ICやリチウムイオン電池保護回路用MOSFETなどの「電池応用」技術を注力分野と位置付け、これらの分野にリソースを集中することで事業成長を目指して来た。

一方、2014年4月に北陸工場(魚津・砺波・新井)の半導体ウェハ製造工程を、イスラエルの半導体ファウンドリ企業タワーセミコンダクターとの合弁会社に移管。さらに同年6月にはシンガポール、インドネシアおよびマレーシアに保有していた半導体組立工場を、香港に本社を置くUTACマニュファクチュアリングサービシーズへ譲渡している。

その後も国内外拠点の統廃合を行ない、アセットライト化による事業リスクの低減を図り、競争力の強化に取り組んでいたが、「近年の競合他社の勢力拡大、注力事業への巨額投資、M&Aを通じた業界再編の進行等、半導体事業を取り巻く競争環境は熾烈を極めてきている。このような中、今後当該事業を成長拡大させるためには事業運営の強化と継続した投資が極めて重要となる。今回、当社が蓄積してきた技術力、商品力を高く評価し、それらを最大限活用し、持続的な事業成長が期待できるNuvotonの下での事業運営が最善と判断した」と説明している。

譲渡の直前に、半導体事業を再編。パナソニック デバイスシステムテクノ(PIDST)、パナソニック デバイスエンジニアリング(PIDE)の全株式を、会社分割によりPSCSに承継。

また、パナソニックと、その子会社が保有する半導体事業関連の知的財産権および契約の一部、半導体事業関連資産・負債の一部を、会社分割または資産譲渡によりPSCSに承継。

パナソニック出資管理合同会社(PEMJ)が保有するPSCSの全株式を、新たに設立するPEMJの完全子会社に株式譲渡により承継。

PSCSの半導体関連部品(リードフレーム)事業を会社分割により、新たに設立するPEMJの完全子会社に承継する。

この譲渡前事業再編を前提に、2020年6月1日を効力発生日とし、PEMJは譲渡前事業再編後のPSCS持株会社の全株式をNuvotonに譲渡。

シンガポール法人パナソニック アジアパシフィックにおいて、半導体の開発・販売事業を担当する社内カンパニーであるパナソニック デバイスセミコンダクターアジアの事業を、Nuvotonのシンガポール法人に譲渡。

パナソニック セミコンダクター蘇州有限会社の半導体事業に係る設備・在庫等をNuvotonの中国法人に譲渡する。